肘掛け椅子2017

肘掛け椅子2017 <Aug.2017>
材料:楢
仕上げ:オイルフィニッシュ(一脚は暗色に着色)
size:H : 750mm (SH:410)× W : 550 × D : 590

反り台鉋など手加工が多い肘掛け椅子です。
カネ出し(直角)をして厚みを決めた基準となる材から、組みの枘加工を行い、締結部を残してR面取りなどを進めていきます。部材を組んで行く過程で最終組み立て後では加工し辛い箇所の面作りを行い、組み立て終了後に最終的な形状に仕上げます。

手加工が多い木工作業は、個人(小規模)の木工屋の特権のようなものです。鉋掛け、刃研ぎなどを嬉々として進められることに「まだ、やれる」とホッとします。

座板では、木工のある先輩から「芋接ぎで、蟻桟は入れない」と言われたことがあります。わたしは芋接ぎを基本としますが、蟻桟は入れます。お客様から「量産品で座板が割れた」と何度か聞いたことがあるからです。 今回は後部に蟻桟単体、前部は前脚との横揺れを抑える横桟を兼ねた薄目の蟻桟を入れています。
座板と脚部の組みは、前部は座板の伸縮を考慮して相欠き、後部は枘と相欠きを組み合わせています。どちらも強度は十分確保しています。
座刳りですが、大小の四方反り台鉋で行っています。臀部(重心)では15mmの深さです。
肘掛けは様々な手の動きにフィットする形状を作りました。
座っていただければわかります。