<Nov.2022>
主材:ナラ(着色)
クルミ(木地)(着色)
仕上げ:オイルフィニッシュ
size:H :1,200mm × W : 530 × D : 220
壁掛けを念頭に置いたギター キャビネットです。
埃やキズを防ぐためにギターをハードケースにしまっている方は結構います。わたしもそうでした。
ハードケースにしまっていると、ギターを見ることができないためかケースを開けることが億劫になってしまいます。気がつくと1ヶ月、半年、1年‥‥
ハードケースはそもそも保管、移動の時に使うものです。
ギター本体のためにはギタースタンドや壁掛け器具などでネック上部から吊るすのがベストです。弦の張力によるネックの反りや環境に順応した自然乾燥が促されるからです。また、ギターの美しい姿が目に入るところにあれば爪弾くたくなるものです。
毎日のようにギターを手にする人はギタースタンドや壁掛け器具などで十分ですが、そうでない人は埃やキズは気になります。
今回制作したギターキャビネットは、据え置き型の見えるハードケースといったところでしょうか。
直方体のキャビネットはシンプルだけれど面白味に欠けるため、扉の形状を3面としてセンターをわずかに前に出しています。軽量化のためガラスではなくアクリル板を使います。ガラスだと破損の恐れもあります。
扉の縦・横桟は出来るだけ細くし、ギターのヘッド部分やボデーのホール部分が見えるようにレイアウトしています。扉の締まりはギターのハードケースでよく使われているパッチンとしました。
一枚板の天・底板は同サイズで前側は扉と同様に3面としています。框組の側板との組みは前後を傾斜させた片蟻(?)とします。これは壁掛けを意識したもので、天板でキャビネットを吊るすことも考慮して組みが抜けないようにするためです。
ネックの保持部とボデープロテクターはギタースタンドのデザインを展開しキャビネットに合わせています。張ってあるフェルトはネックが3mm厚、ボデーは5mm厚を使っています。
重量は主材がナラのものは14kg、クルミは12kgとなりました。壁掛けの際は補助材や金具が必要です。床置きする場合などでは奥行きが浅く前に倒れやすいので上部の固定が必要となります。
サイズや樹種オーダーも受け付けています。