<Oct.2020>
材料:栗、杉
仕上げ:柿渋
size:H : 最上段踏み板まで1,880mm/手摺り上部まで2,550 × W : 2,230× D : 780
古民家への階段書棚の制作です。
センターに背板(中仕切り)が入った正面と背面がシンメトリーの書棚となります。
踏み板とフレーム(框材)などは栗。背、底、側などの板部分は杉を使用し、仕上げは柿渋となります。経年変化で古民家に馴染んでいくことを意識しました。
傾斜角は41度で緩やかに設定しています。踏板の段差は一番下が200mm、他は全て210mm。踏板部分のスペースは幅780mm、奥行き260mmと一般的な階段よりも僅かですがゆとりがあります。このゆとりにより上下分割の下段には手摺りを省くことが出来ました。本来ならば最下段まで手摺りがあった方が良いのでしょうが、最下部まであることでの圧迫感(広い部屋が狭くなる)、コスト等を検討してこのデザインとなりました。
手摺りの高さは、上の梁がある廊下手摺りの下に収まるように710mm、踏み板中央付近では850mmくらいとなります。
段数は9段で奇数段の下は背板(中仕切り)を入れず明かり取り、飾りスペースとしています。
また設置場所ですが下の上がり框と上の梁の位置が110mm差があり、階段の最上段を梁に合わせた形としています。
書棚内の奥行きが390mmとなります。棚板は基本固定ですが最もスペースが大きい下段中央二つの上は可動としています。
階段と書棚の実用性の両立なので、細めのフレーム(框材)を補強するのは杉の背、底、側などの板部分となり、15mm厚で全てフレームの溝に収めています。高さのあるスペースの背板には幅広で厚みが杉板と同じ15mmの栗材の横桟を入れてさらに強度を持たせています。
30mm厚の踏み板の木口は端嵌めで全体のフレーム横桟と違和感のないようにし、踏み板前後は縦桟に収まる枘を施し構造材としてのパーツとしています。
杉は軟材であるために組み入れるところは木端や木口全体を保持するように深さ6mmの溝に収めまています。可動棚板では両側を栗材で端嵌めし可動棚板を保持する側板の棚板金具設置部分はナラ板で補強しています。
おまけとして、階段下にハンガーフックを2個取り付けました。