山桑と黒柿の仏壇

山桑と黒柿の仏壇斜視

<Dec.2020>
材料:山桑、黒柿、紫檀、桐、木曽檜、スプルース
仕上げ:拭漆、蜜蝋ワックス(黒柿)
size:H : 448mm × W : 688 × D : 270

山桑と黒柿による仏壇です。本体の仕上げは拭漆です。
今回の仏壇は書棚に収納するタイプで、高さが約450mm、幅が約700、奥行きが270です。雨戸(扉)は倹飩式の4枚扉で取り外してサイドに収納する方式です。
抽斗は、左右アンシンメトリーで1杯はA4封筒(角2、240mm×332)収納です。このため抽斗の背板は3mm厚のスプルース、底板は5mm厚の木曽檜を使いスペースと強度を確保しています。

仕上げは、桑材は濃色ですから松煙を混ぜない生漆による拭漆です。量産品などでは背板や棚板の裏側など見えない部分の仕上げ処理を行わないのが一般的なようですが、わたしはします。オイルフィニッシュならば最低1回、拭漆ならば4、5回。何故なら板材などは表裏の伸縮の差で反りが生じることを懸念するからです。
黒柿は独特の模様を殺さないように拭漆ではなく蜜蝋ワックスによる仕上げとなります。オイルフィニッシュ、浸透性が高い液状ワックスも試したのですが、オイル仕上げは濡れた風合いとなり白地部分が茶系色に、液状ワックスは艶が出ず拭漆の桑の艶とのバランスが悪い、からです。
抽斗のつまみは紫檀の削り出し、雨戸左右の外側にも2mm厚の紫檀を貼っています。

この仏壇は、佛安佛檀店さんからの委託により制作したものです。