桜仏壇2

桜仏壇2 open正面

<May.2020>
材料:山桜、ブビンガ、紫檀、桐、木曽檜
仕上げ:オイルフィニッシュ
size:H : 700mm × W : 570 × D : 310

山桜の仏壇です。構成部材は全て天然乾燥材を使っています。
宗派によって仏具の種類やサイズは様々です。制作依頼してくれた友人には「仏具屋さんに、必要な仏具とサイズを確認して欲しい」と話し、その情報を加味してデザインしています。
山桜は経年変化で赤みを帯びてきて、落ち着いた品のある風合いとなります。そのため拭漆で仕上げるとその良さが出ません。天然乾燥の桜、クリやブラックチェリー、ウォールナットなどは経年変化で素晴らしい風合いとなります。100年劣化させるといわれる制作作業効率化のための人工乾燥の材ではこの風合いは出てきません。

天板ー支輪はフレーム型天板の構成、フレーム型天板では埃の除去などの日常的な手入れは非常に容易となります。底板ー台輪は通常のフレーム構成で底板の伸縮を考慮して前側で底板を固定しています。台輪、支輪とも前側に緩やかなRを施しています。
雨戸(扉)は折戸の4枚構成でそれぞれ2枚張り合わせる(木表と木表、木裏と木裏)ことで反りを抑えます。内側2枚は外側より5mm厚くして台輪と支輪のRとマッチングさせています。
抽斗の構成部材は桐で底板は木曽檜を使用しています。スライド棚板は端嵌めで反りを抑えています。
中央の飾り板は、何種類かの材を検討し最終的に赤みが強いブビンガの細かな杢板とし、正面はR面としています。
雨戸の把手、抽斗のつまみは紫檀の削り出しによるもの。雨戸の把手は中央部分を膨らませた緩やかなRとしています。山桜の色との相性が最良です。
背板は抽斗より上部は縦3枚、下部は横1枚で構成し下部を外せば上3枚を引き出せるようにしています。不具合が生じることのない作りとしていますが、万が一のことを顧慮しています。