桜仏壇

桜仏壇

<Nov. 2010>
材:ヤマサクラ

仕上げ:オイルフィニッシュ
size:W : 560mm × H : 700 × D : 300(支輪:310)

ヤマサクラによる仏壇です。
この仏壇は「佛安佛檀店」様からご依頼いただきました。
お客様と「佛安佛檀店」様との話し合いによるご希望は
1. 全体のサイズ(置き場所、仏具サイズから)
※仏具のサイズはやはり専門の方にお任せすべきです。
2. 4枚扉、蝶番はお客様のご希望
3 .扉に把手は付けず、中央2枚の扉に緩やかなRで指先が掛かる欠き取りを施す
4. 支輪の正面下、台輪の正面上に、丸みを持たせた3段の凸ライン
5. ダウンライトの取り付け
等です。


扉は反りを極力押さえるために、2枚を張り合わせています。木表と木表、木裏と木裏という具合です。
扉の欠き取りは45°で深さは6mm。
欠き取りの深さは指を掛けるため10mm以上は欲しいですし、角度も加工の点からは垂直に近い方が容易ですが、可能な限りご希望に沿いたい。治具を何度か作り直し、他の材で角度、深さを変えて試し加工を繰り返し、指の掛かり具合や反りの問題やデザイン面からこのように決めました。最終加工は豆鉋。
支輪と台輪の凸丸ラインは、削りラインを決めてから豆キワ鉋で加工。
支輪の構造は、ダウンライトの取り付けやメンテナンスを考慮した鏡板2枚構造。内板は前後の溝に落とし込み固定。外(甲)板は後方から差し込む方法。両板とも取り外し可能。
オイル仕上げ前のヤマサクラはとても美しい淡い桜色をしていて、「このままにしておこうか」と何度か思ってしまった。

支輪の凸丸ラインと扉の欠き取り。扉の厚みは左右が20mm、中央2枚が25mm。中央部分が5mm前に出ることから、支輪と台輪は緩やかなR加工を行った。支輪は台輪より前に10mm出している。
中央の立て板は、大切に持っていた色が濃いヤマサクラを使用し、加工は棚板のRに合わせたR面。立て板、棚板とも通常の胴突き。
下のスライド板は、本核端嵌みの留め。

※この仏壇についてのお問い合わせは、「佛安佛檀店」へお願いします。写真もこちらの方が綺麗です。