<Nov. 2015>
材:椿、桐、スプルース、紫檀
仕上げ: 本体:蜜蝋ワックス
全体:size:W : 810mm × H : 1200 × D : 410
下本体:size:W : 810mm × H : 410 × D : 410
椿の鏡台です。 10年以上前に丸太で入手し、天然乾燥させていた椿をやっと使う気になりました。鏡台として。 400mm近くある径でとんでもなく重く、半割する際は3人がかりの作業で、材は目に見えるスピードで歪み、反り、暴れまくっていました。一体どうなるのか、家具材となるのか?半分諦めて10年以上が経過したわけです。 粗木取り段階ではまた大きく暴れるだろうと思っていたのですが、とんでもなく素直で反りなど一切出ませんでした。驚きです!そして材も美しい!白太と赤身の境は不明瞭であるもののモスグリーンの柔らかな色、桜や樺より木目が細かく磨けば光沢が出る。 加工しながら、仕上げ方法を考えていました。オイルフィニシュだと濡れた感じでモスグリーンが消えてしまう。拭漆では何の材か判らなくなる。いっそのこと木地仕上げか?いやいや、化粧品で間違いなくシミで汚れる。中央にガラスを載せようか?‥‥と迷いに迷って蜜蝋ワックスとしました。
もう、こんな椿に出会うことはないだろうと思い全てを使い切りました。 つまみ、鏡の取り付け部分、角度調整部分は本紫檀を削り出して制作しました。