<Aug.2016>
材料:マホガニー
仕上げ:オイルフィニッシュ
size:H : 970mm × W : 440× D : 430
1年程前、プロのギタリストがラジオで「ハードケースは持ち運ぶためのもので保管するためのものではない。ギターのためにはケースから出していた方が良い。音も良くなる。」とのこと。湿度が高いこの地で出しっ放しはいかがなものか?と少し疑念を抱いたものの、ギターが環境に順応することも大切なのかも、ケースから出していれば直ぐ手が届く、美しいギターの姿を見ていられる、などと思ったのです。
ギターのネックは弦の張力に負けたり勝ったりすることもあります。曲がらないようにするために張力を考慮して鉄芯が入っていて六角レンチでネックの反り調整ができるようになっています。保管時はギターを寝かせていたり立て掛けていたりするより自重でネックを引っ張っている状態が最良となるでしょう。ギターショップの展示もそうです。ところが既存のギタースタンドは、ボデー下部を置くタイプが多いようです。
今回制作したギタースタンドは、ヘッド下からぶら下げることを基本にしてボデーを支える形にしています。
ギター本体の必要である各部位の計測と、ぶら下げた状態での重心ライン、角度、奥行き(厚み)なども見ていきます。必要な計測を終えたら、ギターの絵にスタンドをレイアウトしていきます。
可能な限り部材を少なくして目標とする機能美を探していきます。
支柱は一本で傾斜は5度、スタンドにギターを掛けた際には横から見るとネックとスタンド支柱がほぼ平行、ボデー支えは幅300mm、ギターとの接触部分にはフェルト、スタンドのトップにピック入れetc.をギターの絵にレイアウトしていきます。
今回主材はマホガニーです。濃淡の差があるために着色しています。赤味を帯びた上品な色合いに仕上がりました。