英国の農家風?キャビネットの制作

「英国の農家で使っているようなキャビネットを作って欲しい」
内心「なんじゃそれ??」。英国へは行ったことないし、ましてや英国の農家の暮らしや家具の特徴もさっぱり分からない。とりあえずネットで英国家具らしきものを見てみることに。
あまり良いものを見なかったせいか、どれもこれも装飾加工が多く、黒を基調とした濃厚な色合い。柾目、板目、木目はあまり気にしていない木取り‥‥。わたしなりにイメージし丁寧に作業をしなければ。

 

英国風キャビネット1

構造など

サイズは幅:1200mm、高さ:900、奥行き:450と良く使われる大きさ。 主材は岩手県産の楢。10年以上前に丸太買いして45mmと70mm厚の柾目で製材、自宅の材置き場で自然乾燥させていたものです。今では国産材の入手は困難になって来ていて貴重な材となりました。

天板や扉の鏡板は楢特有の虎斑杢を選択したのですが、赤黒く着色して欲しいという要望で「嗚呼、杢が‥‥」。

 

天板

天板は虎斑杢の3枚接ぎで35mm厚、面取りは上部がぎんなん面でその下を斜めに切削しています。蟻桟は後ろから差しています。蟻桟は納まりの後部を天板裏面に合わせてカットしそこに丸棒を差して位置決めしています。その固定位置で天板が伸縮することになります。
天板は後乗せで側上部の横桟とボルトと鬼目で固定する方法です。

脚部の側は框組で中央に縦桟を入れています。側の框組は前後の横桟も入るため枘は長短2枚の2.5枚枘で上段は小根付きです。ちなみに中仕切りと上下の横桟、前後桟の組みは三枚先組みの枘です。鏡板は杢は無いもののブックです。

キャビネット 側図面

 

構成 

構成はは両側が開き戸、中央が4杯の抽斗となります。
両側の開き戸の扉は厚み分前に出しています。4角を留加工として中に縦桟を一本面落ちで入れています。縦桟は扉の中央ではなく全体のセンターよりに位置決めしています。扉の中央にすると全体を見た時にロンパリ風に見えるからです、留加工ですが、25mm角9mm厚の材を雇い核として使っています。Dominoなどを使う方法もあるのでしょうが持っていないので。
鏡板は虎斑杢の1枚の板から4枚取りシンメトリになるようブックとしています。
棚板は左右それぞれ2枚としました。
中央の抽斗部分は奥に入る形になります。
最上段の前板は飾り無し。下3段はぎんなん面に加工した枠を貼っています(この作業は好きではありません)。側板の高さは4杯とも140mmと共通にして側板上部へ擦り桟を本体に取り付けています。
扉と抽斗の把手はずいぶん悩みました。アンティークなものを探すのですが1個2,800円のものは流石に手が出ない。農家の暮らしのイメージが湧くものをと選択しました。賛否はあるものと覚悟しています。
わたしが出来る英国の農家風の装飾はと言えば、天板上部、扉枠の面取りをぎんなん面に、抽斗下3杯の前板にぎんなん面に加工した枠を貼ることくらいです。

英国風キャビネット2

着色

また着色についてですが、赤黒い着色ではリボス社のカルデットや和信化学のポアーステイン、弁柄と墨汁などいろいろ試してみました。塗って乾かし2度塗り、薄めてみたり濃くしてみたり、赤を塗って黒を塗ったり、混ぜてみたり、拭き取りのタイミングをずらしてみたり‥‥最終的に弁柄と墨汁を混ぜて2度塗りすることにしました。ところが混ぜて塗ってしばらくすると弁柄が沈み墨汁が浮いて来ます。分離したのでしょうか?弁柄を擂鉢で粒子をもっと細かくしなければならないのでしょうか?それを拭き取ると弁柄の赤が強く残る‥‥そこで2度目は早めに拭き取ることにしました。これで今回の着色の決着としました。これ以上の色決め作業はわたしには出来ません。

そうそう、使っているタイトボンドⅢは8°以下では使えません。8°以下では乾いた時に小麦粉が乾いたようになり接着しません。今まではストーブの前で材とボンドを温めていたのですが、今回から材とボンドを電気毛布で1時間くらいくるむようにしました。効果は大です。

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