木工を始めた頃、「手づくり木工事典」(婦人生活社刊)に時たま目を通していました。
掲載されている記事の中で実践してみたのが丸棒作り(※)です。木工仲間もやっていました。読者の中にも懐かしく思われる人もいるかもしれません。
ハンドルーターと電動ドリルを使用して作る方法です。少し大きめの穴から材をドリルで回転させながら押し入れルーターで切削してセットした穴から丸棒を出す、簡単に言えばそういう仕組みです。電動工具を2台同時に使う発想の豊かさに自身のアタマのカタさを嘆いたり……。
当時、楢とカツラを主材としており埋め木用として必要としていたわけです。治具の制作、ルーターのセッティングは精度が必要なのは当然です。そのため一旦セッティングすると再セッティングが煩わしく思われ多めに作ることになるわけです。今もカツラの丸棒が残っています。余談ですが、その当時はカツラの流通量が多く低価格であり抽斗の構成材として使っていました。ところが今は入手も困難、高級材となり、抽斗は主に国産桐へと変更、埋め木も専用のドリルで作るようになりました。
今回の丸棒作りはつまみ用として作り置きしておくものです。本紫檀、ブラックチェリー、ブビンガの杢材です。治具も新しく作り、セッテイング径は15mmと18mmとしたのですがコボレを落としたりサンディングして13.5mmと17.5mm。まっ、良いか!旋盤を持っている人を羨ましく思ったり……。
※ 掲載号、執筆者が思い出せません。申し訳ありません。