Desk revival

Deskと袖抽斗

<Jun.2015>
材料:クリ桐(抽斗内部)、米ヒバ(抽斗底板)
仕上げ:オイルフィニッシュ
机size:W:1000mm × D:600 × H:700
袖抽斗size:W:410mm × D:400 × H:525

木工スタート時、最初に制作した”Desk & Stool”をリバイバルしました。webサイト上のものや、写真がなく図面のみのものなどご覧いただき、「これが好き!」となりました。今回Stoolはなく袖抽斗がつきます。

Deskは、リバイバルに当たって構造的なことや外観で気になっていた箇所に修正を加えました。材もナラではなく上品で柔らかな栗となりました。
大きな修正は、天板の反り止めを金具から蟻桟にし、その蟻桟を側の横桟にしたこと、抽斗前板の間の束を前板の後ろの配して木目の流れをつなげたことです。基本的なサイズは変更していません。
側の横桟を天板反り止めの蟻桟としその蟻桟の前後も蟻、脚上部に欠いた蟻溝に落とし込む手法は”さくら机”から取り入れています。どの部材加工も精度は必要ですが、この加工は気が張ります。が、部材点数を抑えることもできますし仕上がりもシンプルです。

袖抽斗下部にキャスターを取り付けるのは好きではないのですが、Desk幅が1,000mmと小振りであることから袖抽斗の移動が必要になったということです。また高さも幾分低めです。Deskの正面棚口桟の両端がR形状で下に下がっていることに対応したものです。

天板は新しい試みをしてみました。わたしにとってはですが。従来の手法では、四方の桟に囲まれる場合の天板の高さを桟の高さに合わせると天板伸縮を考慮して隙間を取らなければなりません。また、天板高を桟高より下にした場合は使いにくく汚れが溜まりやすくなります。これらの問題を解決したいと以前から思っていて今回実践したわけです。桟に囲まれる天板が桟に被さるものです。天板と四方の桟それぞれに溝を施しています。天板の伸縮は四方(今回は前後)の桟に欠いた溝内となり外観上は隙間がゼロ状態で全く気にならず上品です。汚れも落としやすく使い勝手も良好です。

袖抽斗天板

次回の課題としては、桟の見え代(しろ)を小さくしようと思っていますがどこまで小さくすれば天板とのバランス良いか、です。また桟は天板の反り止めの役も果たすわけですからそのサイズも充分考慮しなければなりません。工数、部材数が多くなって、更にブサイクになってしまうようであれば、木口が見える従来工法から出直しです。

さて、袖抽斗の抽斗ですが、上段は側横桟がガイド。中段はBlogにも書きましたセンターガイド
下段はサイドにガイドレールを設けています。このサイドレールは使い勝手から側板が前板高より低いことから設けるもので、引き出した際に抽斗が落ちないために必要となります。また、前板の反り、伸縮を考慮して両側にケヤキで蟻桟を通しています。
抽斗内寸は、Deskでは縦方向にA4クリアファイルサイズに+α、袖抽斗は縦横方向ともA4クリアファイルサイズに+αで下段は高さも充分です。全体的に小振りではあっても必要なサイズは確保するのは当然のことですね。