<Apr.2017>
材料:楢(脚部は北海道産、他は木曽産)
その他に桐(抽斗)、ポプラ(背板など)、きはだ(抽斗底板)、本紫檀(把手、つまみ)
仕上げ:オイルフィニッシュ
size:H : 1000mm × W : 1200 × D : 450
楢の虎斑杢をふんだんに使用した台形のキャビネットです。
(要所解説は、Blog「工数が多いキャビネット」4月22日付けを参照してください。)
30mm厚の台形フレーム3枚を5角形の脚部(後部は角)で支えるデザインです。全体の面取りを凹のR形状にするなど全体的に緊張感を持たせて高級感を演出しました。天板の上に鏡を置くことも意識しています。
天板はフレーム型天板としています。単板としないのは中段、下段のフレームとのイメージ統一です。
抽斗は、メインとなる上段中央の大振りのもの(収納:w:370 d:355 h:125)2杯、上段脇の斜め抽斗(w:45 d:305〜270 h:125)2杯、内抽斗(w:225 d:320 h:45)3杯で構成しています。斜めの抽斗はスペースが小さいため外側の側板の高さは控えめにして収納品の取り出しを容易にしました。抽斗のスライドがスムーズに行えるように上段はサイドガイド、内抽斗は抽斗を外すとフラットになる構造で、側部分の空き(隠れ)スペースに手が伸ばせる工夫です。単板としたのもそのことを意識したもので下のスペースとの境界ともなります。
棚板は左右2枚。四角ではなく変形ですが両端は端嵌めを施しています。センター部分は留めとしています。仕切りはフレームとして左右間の収納の広がりを確保しています。
扉のデザインもフレームデザインでイメージを統一しています。ヒンジはPヒンジを使用しています。通常の蝶番では全体のイメージと一致しないからです。扉の締まりにはネオジウム磁石を本体と扉の両方に埋め込んでいます。
つまみと把手は本紫檀の削り出しによるものです。特にメインとなる上部抽斗と扉のものは本体デザインと統一しました。内抽斗では下側に指がかかる程度の欠き取りを行った台形。上部斜め抽斗は前方に引き出す意図を加えた丸型の欠き取りを施し縦位置とした半丸形状に凹のR欠き取りとしました。
台輪は本体と別体です。