蟻組み、蟻桟

多用する蟻組み、蟻桟

蟻組み、蟻桟は様々なところで使っています。天板の反り止めは代表的なものです。その他にも抽斗前板の反り止め、板作りでの天板、側板双方の反り止めなど多岐に渡ります。
蟻組み、蟻桟は、対する板の反りを抑えるのは勿論ですが、板作りでの天板、側板の伸縮にも上手く対応します。そのため、構造的なこと、経年変化などを考え図面を引いていると否が応でも蟻組み、蟻桟を使うことになります。

一時代前なら鉋、鑿等の手工具だったのでしょうが、今はルーターやトリマーで蟻溝を掘り蟻桟を加工するのが一般的でしょう。わたしもそうです。木工屋になって間もない頃、蟻溝の墨付けは蟻溝のビット端っこで取っていました。多用するに伴い、精度が出し難いことに気付きこの墨付けは止めました。ビットのセンターで墨付けするようになりました。この方が墨付けが容易で間違いや狂いが小さくなります。また作図でも反映し易いです。ということは、精度の高いものを作ることが出来る、木という材の応力を歪めない、などの利点があります。
繰り返しやっていれば、角鑿の位置決めとそれほど大差ないものです。

写真は、横桟に側板の蟻を入れるもの、側板と底板との蟻組。
横桟に側板の蟻を入れるものは、前のみ接着剤で位置決め、側板の伸縮に伴う背板のズレはそれなりに逃げを付けています。ちなみに、天板の木理は通常の逆であることから(お客様の要望)、寄せ蟻を前後に二本。
側板と底板との蟻組みですが、底板の反りは全体の重みで抑えられますが、側板の反りは底板との蟻組みでないと抑えられない、との判断によるもの。そのため、天秤差し等に見られる意匠的なものは出来てこないため、組みを側板の内側として外からは全く見えないようにしました。隠し蟻ですね。

「また、面倒臭いことしとる!」と、今回も友人に言われ‥‥

蟻組み、蟻桟」への3件のフィードバック

  1. また、面倒臭いことしとる!

    でも、でも、蟻の加工、美しい。
    底板の接合ですが、一般には包み蟻(ラップ ダブテール?)とか言うのかな。
    私であれば、鬢太の天秤差しって言うかも。
    (隠し蟻とはちょっと違うかな)

    面倒臭いことしとる!

  2. お久しぶりでございます。

    面倒臭いことも、数をこなしていけば当たり前になってくれることを願いながら鑿を握っております。

    そうそう、『8月30日 全国100万人大行動』。東京まで行けないので滋賀で探していたのですが、今朝やっと見つかりました。わたしは長浜駅前にGO!です。小規模であろうがなかろうが、安保法案に反対は反対!

    1. ご指摘ありました。
      「安保法案に反対は反対!」と書きました。「安保法案には反対!揺るぎなき思いで反対!」ということです。言葉足らずで申し訳ありません。13歳に叱られそう(ー ー;)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です