ギター キャビネットの制作

夏に友人からアコスティックギターを3台もらい受けました。Cat’s Eyes、Rarewood、Chaki。3台ともレアというかマニアックというか‥‥Cat’s Eyesは新品の弦が張ってあり直ぐに弾けるのですが、RarewoodとChakiは修繕が必要で時間を見て手を付けようと思っています。Blogで書けるようでしたら追々書いていこうと思います。

ということで、クラシックギター が1台、アコースティックギターが4台になりました。修繕して音比べなんぞしたいなぁと思うものの、ハードケースに入れてしまうと開けるのが億劫になってしまう。

そうだ!ギター キャビネットを作ろう!
ギター キャビネットがあればギターが目に入るし手にしやすい。埃を被ることもない!

扉オープン

 

イメージ作りと作図

先ずギター キャビネットをイメージします。壁掛けにしたいと思い、薄くて軽くを念頭におきます。収納するものがギターと決まっているためそのサイズから自ずと最小サイズも決まり、それを覆うようなイメージを膨らませていきます。
ギタースタンド制作時にギター本体を採寸してありますが、メーカーが違うこともありギターそれぞれボデーの厚みやネックの太さなどが多少違うため最大値を求めていき、その数値を基準とします。またギターの出し入れの際にボデーが斜めになるためボデー厚みの対角線を最大値として幾らかの余裕も加えます。
単に直方体のキャビネットはシンプルだけれど面白味に欠ける。そこで扉の形状を3面としてセンターをわずかに前に出すことにします。軽量化のためガラスではなくアクリル板を使います。ガラスだと破損の恐れもありますから。

いくつかのイメージ案をCADで作図していきます。どうしても中のスペースが大きくなり、小さくするのに苦労します。初期案の内寸は高さが1170mm、幅が540mm、奥行きが260mm。でかい! 何度も修正を繰り返して最終的には高さ1140mm、幅480mm、奥行き180mmまで絞り込みました。勿論ギターのネック保持位置やボデーの支え位置も微妙に手を加えます。

キャビネット内寸から外側の構造を軽量化と強度を意識しながらデザインを展開していきます。
天・底板は一枚板、側は框組で鏡板と背板は無垢材で薄板にします。扉の縦・横桟は出来るだけ細くすることにし、ギターのヘッド部分やボデーのホール部分が見えるようにレイアウトします。アクリル板は曲がるので1枚としてRにしようかなどと頭をよぎったのですが何かドームみたいだし、扉を閉じた時にアクリル板に反射する光と影が気に入らずパスです。

 

制作

 

キャビネットは5台作ることにしました。ナラを主材とするもの3台、軽いクルミ2台です。
一枚板の天・底板は同サイズで前側は扉と同様に3面としています。框組の側板との組みは前後を傾斜させた片蟻(?)とします。これは壁掛けを意識したもので、天板でキャビネットを吊るすことも考慮して組みが抜けないようにするためです。通常の枘組みだと経年変化で緩んだり抜けることも考えられます。

 

扉の制作は3面をデザインしたので厄介です。縦桟は3面の角度に合わせアクリル板溝が直角になるように面を作る必要があります。縦框は台形、縦桟は変五角形となります。

 

 

ネックの保持部とボデープロテクターはギタースタンドのデザインを展開しキャビネットに合わせています。張ってあるフェルトはネックが3mm厚、ボデーは5mm厚を使っています。

 

また、アクリル板が収まる上下の溝ですが、ガラスだと倹飩方式(上の溝を深くとり、上に差し込んで下に下ろす)となりますがアクリル板は曲がるので上下の溝深さは同じで良いです。
蝶番は2枚の平蝶番。扉の締まりはギターのハードケースでよく使われているパッチンとしました。マグネットも考えたのですがこちらの方が確実ですし扉につまみやハンドルを付けなくても大丈夫です。
ナラ3台とクルミ1台は濃色を着色し、クルミ1台は経年変化でのヤケを見たくてオイルフィニッシュのみとしました。側の鏡板と背板にキハダの濃色になる材を使っているためでクルミとキハダのコントラストを楽しむためです。

ギター キャビネット、据え置き型の見えるハードケースといったところでしょうか。
壁掛けを意識して軽量に!と制作したのですが、ナラだと14kg、クルミだと12kg。家の壁に取り付けようとしたのですが板壁の芯材強度が不安で2台(ナラ、クルミ)は段積みし最上部をL字金具で固定、1台(クルミ)は高さ80cmのキャビネットに置いて上部をL字金具で固定としました。なお設置ですが、床置きする場合などでは奥行きが浅く前に倒れやすいので上部の固定が必要となります。

2台設置2台設置したところ

 

とりあえず3台は私用ですが、ナラ2台は販売しますしオーダーも受け付けていますので、ご希望の方はcontact formからご連絡ください。

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