五角形の脚部の枘。フレームと組むために変則的な枘となります。
外観全体のデザインが重視されるのは当然なのですが、それに準じた組み構造も必要と考えます。加工作業は一手間、二手間多く掛かるのですが、木工屋ですから嬉々として取り組みます。
への字型の枘加工ですが、内側は傾斜盤で数ミリの深さで毛引く程度に入れます。チップソーの刃厚2.2mmで奥まで切ると枘強度が落ちることを懸念するからです。チップソーの毛引き痕をなぞって薄刃の手鋸を入れます。薄刃厚0.5mmの切削は強度を下げることもないでしょう。
への字は15mm長、30mm厚のフレームに上下から入るために15mmとなったわけです。もう一方は20mm長、フレームの内側に入りへの字とフレームを挟み込みます。への字は加工後5mm落とすのでチップソーの痕は消えます。
下の写真、手前は地板。奥は裏返した天板。天板の構造はフレーム型天板。
これはこれは、丁寧なお仕事。お見事!
もう1つの方法。お判りになっているでしょうが、左右に1つづつ枘を建て、中抜きにする、というのもアリです(簡単だし)。
この場合、結合力はやや弱まりますが、他方、甲板の接合部を挟む方向に効きますので、切れを防止するという効用が出てきます。
さて、どっちを選ぶのが良いのでしょう?
切れ防止の中抜きの枘にしようか、随分迷いました。枘穴加工寸前まで。
小物であればそうしました。が、今回は強度を重視しようと決断しました。
強度では三分の一以上の枘を確保したいと考えているのですが……
さてどちらが良いのでしょう?