材の押さえと送り

材の切削加工

日常的に行う材の切削加工は、日常的であるため時として危険を蔑ろにしたり、また充分に注意をしていても、チップソーの切削抵抗や切削時の材の動きや反りなどで大きな失敗をしてしまうことがあります。
その失敗のひとつは切削加工ミス、またひとつは刃物の破損(滅多にありませんが)、そして怪我です。この失敗はどれも経験したくはないのですが、やってしまいます。
もう10年ほど前になりますが、傾斜盤で桜材の数ミリ角材を作ろうとしていた時、材が折れて飛び親指の腹に深く刺さってしまいました。小刀でのとんでもない自己治療はご想像に任せます。
したくはない失敗経験から、傾斜盤でのわたしなりの材の”押さえ”と”送り”を書きます。

材の押さえ

加工材のガイドへの押さえですが、写真の櫛状の”押さえ”は一般的に使われています。わたしはマイター定規(横挽き定規)に取り付けて使用しています。
ただこの押さえには欠点があります。加工を端から端まで通す場合は良いのですが、両端を加工しない場合は材を上から落とすことが出来ないですし外す時も切削中にいらぬ動きをしなければなりません。また、”押さえ”の厚みより薄いものの加工には無理があります。加工材の押さえ

意図する加工、安全確保を考えた”押さえ”をふたつ。
写真の櫛状の”押さえ”の上のものは、細い数ミリ角材を作る時に使用しています。チップソーの刃はそれほど出しませんから、2本の”押さえ”は出ている刃の前後に位置します。

下の大きめの角材を用いた”押さえ”は、加工材と一緒に動かしたり、ガイドと”押さえ”の間に材を送っています。左手で”押さえ”を動かすため、薄板の反りを押さえる力加減も自由です。また、わずかな切削も材と”押さえ”と同時に切削でき、精度と安全性が確保出来ます。セッティングというものもありません。板材の枘加工や幕板の加工に重宝します。

材の送り

材の送りで一般的なのが写真の下の”押し棒”です。わたしも木工を始めた際に直ぐに作りました。しかし芳しくなくほとんど使っていません。加工材の先端が振られる、跳ね上がろうとする材を押さえることが出来ないという理由からです。加工材の送り

材の送りで最も安定するのが、親指と人指し指(わたしの場合)です。切削を終えるまで指で押さえているには危険が生じます。
そこで親指と人指し指に代わるものが写真”押し棒”の上にあるものです。
加工材の厚みによって何種類か持っています。材は杉などの柔らかい材ですと加工材に押さえた痕も残らないですし刃が当たる際の抵抗も少ないです。また親指の役目をする箇所は糸鋸でギザギザを付けて滑らないようにしています。材に当てる部分と側面にカネが出ているとガイドにピッタリと接してより安定します。
消耗品ですから端材や安い杉材でまとめて作って持っています。

より安全で精度の高い加工を目指したいものです。

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