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木工屋です。

「夏休みの自由研究‥‥2

前回の『「夏休みの自由研究」? 猛暑で曲げ木!』の結果報告です。 

型の頂点の高さは80mm、型から外した直後の材の曲がり具合、7日後、10日後を測定し曲げ戻りを確認しました(15日後は10日後とどれも変化なし)。曲げ戻り量が多くなることを期待して湿度が高く直射日光に材が当たらない部屋で放置しました。何故そんな環境下に置くかと言えば、曲げ戻りのほぼ限界点を知りたかったわけです。例えば椅子の笠木に今回の作業での曲木を使用するなら、必要な長さやRなど大まかなイメージが作れるしそれを用いたアイデアスケッチへも繋げることも出来ます。

曲げデータ

表を見てみると

1, 煙突に入れても入れなくてもあまり差はない。

2. 10日後の曲げ戻りでは、クルミが10mmに対し、ナラとクリが12〜13mmと大きい。

となります。
まぁ、こんなところです。最近は軽量の椅子の需要が高まっているとも聞きます。制作する人に何か参考になれば幸いです。

弱点は、炎天下、猛暑の時期でしかやれないことですね。

「夏休みの自由研究」? 猛暑で曲げ木!

子供たちの「夏休みの自由研究」にもなりそう。
アツイナツ!、ナツイアツ!‥‥と猛暑が長引いているので太陽光を利用して曲げ木の実験をすることにした。冬に作業場の薪ストーブの煙突を使って失敗したので猛暑の中でのリベンジである。木工屋としては至極真面目!
自由研究のテーマがまだ見つからない子供たちは試してみるのも良いのでは?危険はないし、木というものの性質を知るきっかけにもなると思う。子供たちからの質問は大歓迎です!!『なんでお湯に浸けるの?』『なんで曲がるの?』etc.
ただ風呂の浴槽を使うので、木から出るアク(油分、色素など)が浴槽に付着することもあるので要注意!特に白い浴槽は気をつけて!終わったらしっかり掃除してください。

型から外す

 

手順

今回使用する材は、ナラ、クルミ、クリの3種類です。端材を利用するので材のサイズは3種類とも違うのですが約15mm × 23mm角で長さは900mmです。煙突に入れるものと入れないもの2種類を比較しようと思います。 続きを読む 「夏休みの自由研究」? 猛暑で曲げ木!

留隠し蟻組みの方が‥‥

山桑で抽斗2杯の小抽斗。
山桑の板材を3枚接ぎで本体を構成。木目がつながる天板と側板をどう組むか、天秤指し、留隠し蟻組み‥‥ んむ、天秤指しにしよう!と、機械加工と仕上げの手加工に勤しむ。

山桑の小抽斗2

山桑の色が濃くて木目方向の毛引き線がとても見にくい。特に天秤オス側の三角底辺と頂点がツライ。毛引き線に白チョークを刷っても木目と区別が付かない。遠近両用のメガネを外し裸眼で10cmくらいまで近づき鑿の刃を当てる仕上げ作業。疲れる。
天秤指しは一般的に天板と側板の組みで行い底板側は行わないが、今回は小抽斗という小物であることから底板側も天秤指しとした。
板厚が15mmと薄いため、天秤頂点の2mm幅が意外と太く見える。手鋸で1mmくらいにすれば良かったかなぁと作業中に思ったりしたけれど、対応できるほどの細い鑿が無い。
無事に組み上げる。

左の天秤指し3

山桑の色が濃いため天秤部分がはっきりしない。今回使った山桑は木目が乱れて面白味のある材を使ったこともあり、節に近い部分は木口と同じで黒っぽくなっている。オイルを塗れば少しは目立つか、と思いきや、もっと天秤が見えなくなってしまった。

教訓:木目の流れを見せたい色が濃い板材の組みは、天秤指しより留隠し蟻組みの方に分がある。

木工作業の工夫13(鑿の斜め切削)

板の組み方には、あられ組みや蟻組みなど様々な手法があります。全て機械加工で済ますこともありますが、蟻組み、天秤指しなどでは最終仕上げに鑿を使用することが多いです。鑿の直角切削の仕上がり
毛引き線を裏表に入れ可能な範囲で機械加工により粗木取りし、毛引き線に固定した当て木に鑿を当てて両側から仕上げるのが一般的かと思います。鑿での切削は1mm以上では木口の中央付近ががこぼれることがしばしばあります。切削量、材の種類や乾燥具合、鑿の切れ具合などにもによってこぼれたりこぼれなかったりします。
組んでしまえば見えないところではあるのですが、出来れば綺麗な方が良い!と思うのはわたしだけではないと思います。

 

 

木口を綺麗に仕上げる方法としては、切削量を小さくするのが一番です。鑿を金槌や木槌を使わず、手押しで切削できる0.1〜0.3mmほどの切削量とすれば良いのです。が、やはり0.5〜1mmほどの切削になりがちです。
もうひとつは、鑿を材を削ぐように打つことです。木彫り用で斜めの刃があるイスカや剣が有効でしょう。ただわたしの手元には、中古で購入した追入れ鑿をイスカ風に刃を斜めにしたものしかなく、しかも鋼が弱く直ぐ刃こぼれして使いものにならない(情けない)。さあ、どうする??

イスカ風に仕上げた鑿

そこで平鑿を斜めにして切削してみました。理論的には叩いた鑿の力は刃のラインに直角で、鑿が板材に直角であろうが斜めであろうが関係ありません。しかし、切削幅が徐々に広がること、鑿が抵抗の少ない方に僅かずつ流れることからでしょうか。木口のこぼれは少なくなりました。削ぐような刃の動きがあるようです。
もちろん材の年輪方向も関係はしてきます。板目に鑿を入れるより柾目に鑿を入れた方が材のこぼれは少ないですから。

一度お試しあれ。作業中はこまめに刃を研ぎましょう。刃物は切れるうちに研ぐ。刃物は切れるから刃物ですから。

木工家ウイーク「机、椅子」展に参加

6月7日(水)から6月13日(日)にかけて開催される「木工家ウィークNAGOYA・2023」のエントリー企画『木工からつくる椅子展「机・椅子」』<期間:6月7日(水)~11日(日)に参加します。
ご高覧いただければ幸いです。

  • 期間 6月7日(水)~6月11日(日)
  • 時間 10:00 ~17:00
  • 会場 文化のみち橦木館 ※橦木館の入館料200円が必要です。
  • 所在地 名古屋市東区橦木町2-18

「机、椅子」展チラシ

なお、「木工家ウィークNAGOYA・2023」は企画によって開催期間が異なりますので下記URLよりご確認くださいますようお願いいたします。
https://www.woodworkers.jp/woodworkers-nagoya2023/

わたしは「小振りな机」「オーソドックスな小椅子B」を展示します。