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水組の試作

天板と側板との組みを水組でやってみようか、などと思い、試作してみることにしました。

先ず、構造と組む手順を確認するために10mm厚の端材に鉛筆で毛引き、手鋸と鑿で最初の試作をしました。

作図

試作の二つ目は実際に使うであろう、加工し易い寸法で作図していきます。材の厚みは25mm、枘厚は9mm、間隔も9mm単位、アングルのラインも9mmの倍数に結んで行きます。
直に毛引いても良いのですが、機械加工で済ますことも考えていたので図面を引くことにしました。2つ引く図面は、外側の図面と内側の隠れる図面となるわけで、クロッキーに描いてはみたものの、傾斜盤での刃の傾斜角、マイター定規と刃との角度に精度が出ません。やはりこの部分はCADが頼りになります。

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久し振りに原寸図面

スツールの制作で久し振りに原寸図面を引きました。
日常的にはパソコンのCADと10mm方眼クロッキーで作図しているのですが、手元にある50mm(25mm)方眼紙(1050mm × 750用)に収まることから原寸図面にしました。
原寸図面は原寸であるだけに非常に現物をイメージし易いです。CADでディスプレイとにらめっこしている時の方が想像力が必要に思います。どちらも完成時の現物を頭の中でぐるぐる回していることに違いはないのですが。


難点と言えば、紙が湿度によって伸縮することが最も大きいです。製図用のケント紙を使えば幾らかマシですがそれでも伸縮します。ましてや薄っぺらなこの方眼紙では500mmが505mmに膨張していて25mmラインから採寸作図しないとマスを上手く活用出来ない。そのため作図後に図面から定規で寸法を取ることができません。
以前、非常に複雑で面倒な組みと形状をしたものの作図では、シナ合板に原寸図面を引いたことがあります。これは伸縮がほとんどなく図面から寸法が取れ非常に有効でしたが、毎回そんなことはしていられません。
1200mm × 900くらいのサイズで、伸縮がほとんどない方眼紙をご存知の方、教えてください。ただし低価格。

CADと10mm方眼クロッキー帳 

立春を前に真冬に逆戻り。今日は吹雪いていて雪が芽吹き始めた山々や庭をまた白く覆い尽くし始めている。

02/01早朝

今回はCADと10mm方眼クロッキー帳の話。

CADの使用

わたしは木工屋になってからパソコンでCAD図面を引くようになった。大垣技能専門校時代、JW-CADの授業がありそこで覚えた。
以前勤めていた会社ではMacが使われており退社後も自分で使うパソコンはMacとなった。デザイン関係のこともやりたかったし‥‥。技専でJW-CADを覚えMacのCADで応用を!と思ったが高額でとても手が出ない。そのためJW-CADはWin.対応であることから、知人にCAD用に安くWin.パソコンを作ってもらった。MacのCADソフト価格の6分の一。

JW-CADは、ネット上から無料でダウンロードできるが、知らないことが多いためインストール用CDが付属しているガイドブックを購入して使っていた。使い始めはあたふたともたついていたが、それも慣れで使用する要素を覚えれば非常に効率的に作図が出来、細かなほぞ構造は勿論だが、簡単に角度が出ることなど墨付け、木取りには随分役立った。
また、友人から聞いた話だが、ネット上からダウンロードしたものは、プリントアウトした時に図面上に「JW-CAD」が薄いグレーで大きくプリントされる、とのこと。2,500円程度でテキストと共に入手して正解だったかな。
そのJW-CADも、数年前にWin.パソコンが故障し今はMacに古いCADをインストールしてCAD図面を引いている。

どのCADでも言えることだが、手描きと比較し大きな利点は、
「緩い階段」CAD図面

  • 修正が容易であること
  • 電卓で計算しなくても寸法が出ること
  • 角度が出ること
  • レイヤーのおかげで重ね描きが出来、プリント時に必要なレイヤーを選択出来ること
  • お客様にも渡し易い

等々、魅力は多々ある。

10mm方眼クロッキー帳

CADを使い始めた頃は、CADに慣れたいという気持ちもあって、ほぞの構造まで全てを細かく描いていた。が、10mm方眼クロッキー帳を手にしてからは、ほぞなどの組み部分は手描きになった。

クロッキー帳は、高校時代からアイディアスケッチなどで使っていたもので、価格も画用紙のスケッチブックと違い安い。紙厚は勿論薄い。高校時代はA3サイズ、B4サイズを使っていたが、大学時代からはA4サイズとなった。この時点ではまだ無地のものを使っていた。会社勤め時代もノート代わりに使っていた。絵も描けたし文も書ける所謂便利帳。入手先は画材屋さん。

木工屋みしょうを開設して間もなくのこと、画材屋さんで10mm方眼クロッキー帳を発見。無地のものより価格はわずかに高いが、使い勝手が良いかも、と購入してこれにハマってしまった。

写真のように、
クロッキー作図

  • 10mm方眼であることから、ほぞ部分等組み部分の原寸を簡単に描ける
  • 作業場で材の寸法を確認しながら描ける
  • 木取り表なども下地線のおかげで見易く書ける
  • お客様との打ち合わせ時のイメージスケッチも描き易いし、綺麗に見える

等々、クロッキー帳ならではの魅力である。

現在作図は、全体図をはじめ大きな部分はCADを、ほぞ部分等組み部分については10mm方眼クロッキー帳、という具合に使い分けている。

まだパソコンなど世に出ていない高校時代、ドラフターの使用があるかと思っていたが、学校の予算の都合上ドラフターは設置されてはおらず使うことはなかった。机上を傾斜出来る硬質メラミンの大振りのデザインデスクが個々人に割り当てられていた。当時もしドラフターを使っていたなら何処からか入手して使っていたかもしれない。製図は得意科目でもあったし(先生曰く:字が綺麗なら申し分ないのだが‥‥)。

読者の方も、一度「10mm方眼クロッキー帳」を使ってみてはいかが?

クロッキー帳はインターネットで検索すれば直ぐ探し出せます。サイズ、紙質等によって多くの種類がありますので確認が必要です。一冊300円程度。わたしは10冊のまとめ買いです。