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木工作業の工夫7(蝶番用の型板)

蝶番の取り付けは、本体と扉側の両方をそれぞれ欠き取り取り付ける方法と、扉側に蝶番を畳んだ2枚分厚さを欠き取る方法があります。
2枚分欠き取る方は建築での建具に良く見かけます。勿論家具でも使われていますし、どちらかを否定する気は毛頭ありません。作業性、取り付け精度、見た目など作り手の好みと思います。建築分野では建具は建具屋さんで収まる枠は大工さんという分業がなされていること、枠への欠き取りは非合理的であり非効率的であるからなのでしょう。
わたしは木工屋になった当初から、本体と扉側の両方をそれぞれ欠き取り取り付ける方法です。扉に2枚分欠き取ると本体側に蝶番の厚みが出てしまうのがどうも気に入らないのです。
欠き取りの方法は、蝶番に合わせた型板を作りテンプレートガイドを取り付けたトリマーで行うのが一般的と思います。当初は6mm厚のシナ合板に上下2個分を墨付けして糸鋸で穴開けしヤスリで仕上げていました。それなりに蝶番は収まるのですが微妙に満足できません。問題点は型板とテンプレートガイドにあります。
今回は、その型板の制作とテンプレートガイドについて。

蝶番用型板1

型板の制作

トリマーのテンプレートガイドの外径は、マキタ、京セラ(旧RYOBI)とも10mmです。(海外メーカー品を所有していないため、あしからず!)刃径6mmのビットでは2mm差なので、開いた蝶番のサイズが32mm×50mmだと、型板には36mm×54mmを開けることになります。
糸鋸で開けてヤスリで仕上げていた頃は、型板制作に時間が掛かる割りに直線が出ない、精度が出ないなど‥‥。
型板に効率良く、精度が高い穴を開ける方法を2つ。 続きを読む 木工作業の工夫7(蝶番用の型板)

ミニ枘、ミニ蟻桟

設計段階で抽斗とスライド板との間に6mm厚の横桟を設定しました。もっと厚みのあるものにすれば角鑿を使う通常の加工で良かったのですが、それではデザイン的にちょっと‥‥
というわけで、3mm厚の枘とスライド板裏の2mm高の蟻桟を。

3mm厚の枘

 

ミニ枘

6mm厚の桟組みで組み部分の加工をどうしようか、2mmもしくは3mmのチップソーで流してしまおうかとも思ったのですが、手元に3mmのストレートビットもあることだし二方胴付きに。
加工は長年愛用している自作の小さなトリマーテーブルで。深さは10mmなので3回に分けて深く加工していきます。

 

ミニ蟻桟

スライド板の厚さは7mm確保出来たのですが、出し入れ口は12mmとしたので両端には12mm厚の端嵌めを施し、中央付近の落ち込みと反りを抑えるために蟻桟を入れます。それほど大きな効果は期待していませんがあった方が良い。蟻溝の深さは2mm。建具の薄板の反り止めにも使います。

 

おまけ

今年も百舌が巣を作り、4月11日に3羽の雛が巣立っていった。
毎朝パソコンやりながら窓越しから親鳥が餌を運んでくるのを微笑みながら見ていた。今年は巣の高さが2m付近で様子伺いもなかなか出来なかった。巣作りに気付いて3年目、1年目はヒヨドリと思っていたが2年目に百舌と確認、来年も来て欲しいものだ。

木工作業の工夫4

巻障子の組子の制作時に使った方法です。
300本を超える組子材の相欠き部分の切削方法です。
一枚の戸に内側組子材が縦:12本、横:13本入ります。戸の数は12枚です。1800箇所を超える欠き取りとなります。
建具屋さんでは専用の切削機を所有しているそうですが、わたしは持っていませんしこういった作業が定期的に入ることもないでしょうから、新規の設備導入はせずに既存の加工機を使うことになります。
正確な位置、精度の高い切削深さが300本均等に求められます。既存設備の適応力を考えます。
横切り盤、傾斜盤では一回で必要深さの切削が出来ますが、材を動かさねばならず位置の精度が出にくいためパスします。
いろいろ考えた末、1枚の戸を縦横それぞr1セットとして固定しトリマーで切削することにします。 切削深さは最終的に9mmですが1回の切削は被切削材の破損の危険があります。かと言って毎回ビットの刃の出を3mm、6mm、9mmに調整すれば深さの精度は出ません。また、3mm、6mm、9mm毎に切削箇所を変更するのも正確な位置とはなりません。 そこで手持ちの3mm厚の薄板2枚を使うことにしました。

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