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超硬刃では逆目方向

以前、Blogで超硬刃とダイヤモンド砥石(2015.12.28)を書きました。刃と研磨については書いたのですが、材の仕上がりについては書いていなかったので、手押し鉋盤でのその具合を書くことにしました。勿論、現在もダイヤモンド砥石で超硬刃を研磨しています。随分慣れました。
切れ味、仕上がり具合については私見です。木工屋さんそれぞれ、オイルフィニッシュやウレタン塗装、拭漆など最終仕上げに向けて手鉋の掛け具合、サンディングの番手など、材の面の作り具合が違ってくるでしょうし、また、鉋盤の機種、刃角、裏刃のセッティング等によって違いが出てくるでしょう。最も重要なのは、木工屋さん本人が鉋盤でどの工程まで任せるか、満足ラインはどこか、ということになると思いますが。

超硬とハイス鋼の刃

超硬とハイス鋼の刃とを比較すると、本体価格は超硬がハイス鋼の数倍し研磨費用も数倍します。刃の持ちは超硬がハイス鋼より10倍位、などを木工仲間や先輩、機械屋さん、研磨屋さんから聞きます。
では、双方の切れ味は?となると、研磨したばかりの刃での仕上がりはハイス鋼の方が綺麗です。材を通して伝わる手の平の感触もハイス鋼は舐めるように材が通るのに対し、超硬は研磨仕立てでも材が跳ねる感触があります。切れていないと言えば切れ切っていないとも言えますが超硬の特性、限界(?)のようです。そのため、木工屋さんによっては超硬ではなくハイス鋼を好む人も少なくありません。
仕上がり具合もハイス鋼は削いだようでツルツル滑らかであるのに対し、超硬は表面をむしり取ったように木の繊維が浮き立っています。ハイス鋼を100点とするなら超硬は70点といった感じです。しかし、ハイス鋼は60点くらいになると逆目ぼれが起き始め研磨(交換)時期となるのに対し、超硬は60〜70点が長ぁく続きます。10倍位と言われていますがハイス鋼より5倍以上はナレが来ません。

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超硬刃とダイヤモンド砥石

超硬刃を購入したものの‥‥

こちらに越してきて、チップソーメーカーから紹介してもらった刃物の販売・研磨屋さんと付き合いが始まりました。
当初、チップソーの研磨と購入のみだったのですが、今秋に手押し鉋盤の刃(ハイス鋼、幅:250mmが2枚)の新規購入の見積もりを出してもらいました。わたしにとっては高い見積もり金額‥‥。価格交渉すると、「250mmの幅をわずかに切るけれど、中古の超硬刃が2枚ある。安くするけれど、どう?」。提示された金額は新規ハイス鋼の2.5分の1!即決です。
ところが研磨されて納品された超硬刃、45度に指定した刃角が35度!
いやぁな予感が的中!半日で切れなくなった!すぐにクレームの連絡!
45度に再研磨(もったいないから二段砥ぎに!)してもらったものの、自分で研磨しているハイス鋼の仕上がりよりはるかに悪い!超硬刃ってこんなものか‥‥それとも研磨屋さんの技術力??

ダイヤモンド砥石の購入

超硬刃について木工の先輩に相談してみたり、インターネット上でいろいろ調べてみるものの使えない刃物を買ってしまった感が強く仕舞い込んでしまいました。
それでも、やはり諦めきれずに出口を探すようにネットを検索する日々。
直接ダイヤモンド砥石メーカーに、研磨方法、合成砥石との番手の違い、ダイヤモンド砥石の選択等を尋ねてみました。#10000のダイヤモンド砥石はなく、合成砥石の粒子ほど細かいものは作れない、とのことでした。「それでは、世間の研磨屋さんは超硬刃の研磨仕上がりは芳しくないってことになる??」「研磨屋さんによるが、砥石の研磨回転スピードによって良い状態にしている」とのことでした。じゃあ、わたしが付き合っている研磨屋さんは‥‥

えぇ〜い、一番番手の大きいのを買ってしまえ!。手押しの研磨で使えなくても他にも用途はある!てなことで#6000というの1万円ほどで購入しました。

ダイヤモンド砥石で超硬刃を研磨

宮本家具工房さんの月間記事『2014年2月 手押鉋盤の刃を自分で研磨する』に掲載されている研磨治具をわたしも作り使っています。
ハイス鋼の手押しの刃を外して研磨してセッティングまで、わたしはおよそ30分を要します。プレーナー(ハイス鋼、幅:500mmが3枚)だと2時間超。

さて、超硬刃は上手く研磨できるだろうか?

やったぜ!! 研磨屋さん、さらばッ(まではいかないが)! ほぼハイス鋼の仕上がり! 満足!