ギター・スタンドは必要

ギターの練習中にはギターを手から離すことがあります。壁や柱などに寄り掛けたりするのですが、倒れることが気になるものです。随分前からギター・スタンドが欲しいと思っていてやっと手掛けることが出来ました。(遅すぎたかな)ギタースタンド1

学生時代は、ハードケースからギターを取り出すことは日常的なもので何の苦もなかったのですが、働き始めた頃から弾きたい気持ちはあるもののハードケースを開けることはほとんどなくなっていました。こちらに越して来てから近所迷惑を考えなくて良くなり弾き始めたのですが、気が付くとやはりまたハードケースに眠らせてしまっています。
1年程前、プロのギタリストがラジオで「ハードケースは持ち運ぶためのもので保管するためのものではない。ギターのためにはケースから出していた方が良い。音も良くなる。」とのこと。湿度が高いこの地で出しっ放しはいかがなものか?と少しは疑念を抱いたものの、ギターが環境に順応することも大切なのかも、ケースから出していれば直ぐ手が届く、美しいギターの姿を見ていられる、などと思ったのです。

ギター・スタンドの機能を考える

ギター・スタンドは、ギターが倒れない台であることは勿論ですが、ギターを支える機能を有するとわたしは考えます。ギターを支える、とはどういうことかというと、作られた当初のギターの形状を壊さない、歪めないことです。そのためにはギターは置くよりもぶら下げる方が良いことになります。
ギターの構造を見てみると、ネックでは弦の張力によってネックが曲がらないように張力を考慮して鉄芯が入っていて六角レンチでネックの反り調整ができるようになっています。調整できるということは曲がる可能性があるということですから、保管時はギターを寝かせていたり立て掛けていたりするより自重でネックを引っ張っている状態が最良となるでしょう。
楽器店を訪れればヘッド下から本体をぶら下げていることに気が付きます。ところがギター・スタンドではギターを置くタイプが多いようです。客や店員が弾く機会が多々ある店では仮置きとしてボデー下部を支えるギタースタンドにギターを置いている場合がありますが、これは仮置きです。展示用に常時置きっ放しの店はオーナーと店員がギターを大切にしていない店と言えます。
ボデーの支えでは、ヘッド下部でぶら下げるのが最良でもボデーがブラブラするようでは傷付けることにもなりますのでブラつきがなく安定させることが重要となります。

機能美重視でデザイン

ギター・スタンドはあくまでもギターを支える台です。そのためにギター本体の必要である各部位の計測と、ぶら下げた状態での重心ライン、角度、奥行き(厚み)なども見ていきます。必要な計測を終えたら、ギターの絵にスタンドをレイアウトしていきます。
可能な限り部材を少なくして目標とする機能美を探していきます。
今回はマホガニーで制作しました。詳細はother1「ギター・スタンド」をご覧ください。

ギターの基本的な寸法はギターの種類、メーカーによって違いがあります。同じ種類のギターでもメーカーの思想性でネックの厚みやボデーのRに違いがありますがネックの幅は大きく違いません。今回のスタンドはウエスタンギター用です。ご希望の方はご連絡ください。また、種類が違うギターの場合は、採寸してもらいたい箇所をお知らせします。

おまけ

2年前にB.チェリーと木曽檜でピックケース。

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