ヴァイオリン スタンド

ヴァイオリンを制作されている方からヴァイオリン スタンドのご依頼です。

Violin Stand2

 

ヴァイオリンを知らなければ

ところが、わたしはヴァイオリンに触れたことはなく間近で音を聴いたことがありません。弦楽器のスタンドは手元にあるギターからでしかイメージが湧いて来ません。
ヴァイオリンそのものを知らないでスタンドを作るといった無謀なことはわたしには出来ません。ヴァイオリンのサイズや構造などはネットで検索すればそれなりに知ることができるのですが、やはり自身の目で見て手で触れてその音色を感じないとわたしはダメです。

9月に名古屋へテーブル用欅板を仕入れに行った際、伏見にあるヤマハミュージックに寄ってみようと思いました。炎天下の路駐だと欅板に影響が出ることもあり少し離れた立体駐車場に車を停め、ヤマハに向かって歩いていると「あれ?!こんなところにクロサワバイオリンとやらがある!」というわけで入ってみることにしました。3年前からあるようです。
店員さんに入店理由を話しヴァイオリンの説明を1時間余りしていただきました。店員さんはヴァイオリン制作を修学していたそうです。愛知県にそんな学校があったんですね。実際に手にするとヴァイオリンの小ささと軽さに先ず驚き、更に開放弦で弾いてもらうと、その小さなボデーから出る音色が周囲の空気の流れを停止させわたしを包み浮揚させます。ヴァイオリンを作る人の喜びに少し触れた気がします。
銘器(ストラディバリウスではありませんが)と量産品の2台を弾いてもらいました。量産品は弦の音とともにボデーの板の響き<雑音>があること(弦音がボデーで吸収されているということ!?)、銘器は弦の音のみが大きく濁りが無い、と感じます。これはギターも同様です。

店員さんに尋ねた主な項目は

  • 構造とパーツ
  • 主要部材
  • サイズ(ヴィオラも)
  • 仕上げ方法
  • 調弦

etc.と非常に基本的ものですが、知らなかったことばかりで大変勉強になりました。Kさん、ありがとうございました。

ちなみにヴァイオリンの調弦は、1弦:E(ミの音) 2弦:A(ラの音) 3弦:D(レの音) 4弦:G(ソの音)で、各弦との間は全て3音となっており、ヴィオラはヴァイオリンの2弦が1弦の音となります。ギターの場合は1弦からE、B、G、D、A、Eで2弦と3弦とは1音ですが他は2音です。

 

イメージ作り

ヴァイオリン スタンドはギターのようにヘッド下からぶら下げる必要はありません。立て掛けるスタイルとなります。ボデー下部2点とネック1点を支えるということになるのですが、ヴァイオリンそのものが小さくて軽い。基本となる4/4サイズでは全体の長さは590mm程度、ボデー本体は高さが355mm程、幅が208mm程、厚みが30〜58mm程、ネック上部の幅が24mm程、重量は500g前後です。スタンドはそれなりの重量感、安定感が必要になります。
3つの支点を三角錐の空間の中で収めるイメージとなります。

また、仕上げのニスは柔らかいオイルニスが30回以上塗り重ねられているとのことです。フェルトなどの布系ですと布繊維の付着が懸念されるようです。加えてニス塗りはネックには行わない木地のままが一般的でヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスも同様です。ただ制作者によっては軽く塗布することもあります。
ヴァイオリンとの接触部分は耐薬品性に優れ弾力性があるシリコンゴムシートを貼ることにします。
クロサワバイオリンの展示用のスタンドではボデー下部にフェルトが貼られ後付けでその上にシリコンテープが貼られていました。やはり!という感じです。

 

ヴァイオリン スタンド制作

全体を曲線で構成しています。高さが550mm、幅が200mm、奥行きが300mmと小振りです。曲面の仕上げは所有する最も小さな反り台の豆鉋を多用します。ヴァイオリンの表裏板の削りもこんな感じかなぁなどと思いながらシコシコ削ります。
ヴァイオリンと一回り大きいヴィオラとの共用となるためネック支持部はヴァイオリンヘッド近くになります。ヴァイオリンを立て掛けた際の角度を10度と設定しています。

トップのネック支持ほ15度傾斜です。ボデーとネックの傾斜を考慮したものです。脚部の開きを20度、脚部は台形として安定感を持たせています。

材はアメリカン・ブラックチェリー。赤みが増してくる経年変化を楽しんでもらいたいとの思いです。

ヴァイオリンとの接触部分に貼るシリコンゴムシートはわたしから提案したのですが、これが非常に厄介です。そもそもシリコンシートは一般的なテープ、接着剤ではくっつかない!シリコンシートメーカー、接着剤メーカーに直接問い合わせてサンプルのシート、片面のり付き極薄シートを送ってもらったり、教えてもらったシリコン専用と言える接着剤を購入していくつかのパターンをテストしてみたのですが、3次曲面ではシートが薄いと皺になる、厚いとシートが跳ね上がる等々頭を抱えるばかり。最終的に脚部は形状に合わせてカットした1mm厚、硬度50のシリコンチューブを、ネック支持部は同様の厚みと硬度のシートを専用接着剤で貼り1日固定となりました。
ほぼ透明なシリコンシートを用いることでスタンド全体のイメージを壊さないようにしています。

制作依頼してくださった

La Voix Mélodieuse弦楽器工房<https://la-voix-melodieuse.com/> 

中山 雄太(145-0061 東京都大田区石川町2-7-12) さま

ヴァイオリン制作を羨ましく思ったりします。

 

おまけ1

ヴァイオリンの音色に感動し「Violin-Making a practical guide」(Juliet Barker著)なる本を買ってしまった。
作ることになるか目を通すだけになるか‥‥

 

おまけ2

冷蔵庫を開けると卵パックの下に何かいる!ヤモリの子供だ!なんでここにいる?どうやって入った?
ドラセナ・サンドリアーナの鉢植えに放してやったけど10日経ってもまだいる。虫除けに殺虫剤噴くこともあるので、前庭の台所近くに放す。うんうん、元気そうだ!

洗面所の窓にはしゃいでいたヤモリ。台風19号の夜、家の中に避難して来た。

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