木工作業の工夫10(角鑿盤での斜め枘穴)

椅子の座板と後ろ脚との組みなどでは傾斜角をつけることがあります。
角鑿盤のテーブルは一般的に角度調整が可能ですが、テーブルと角鑿のカネが出ているものを崩したくない、再設定が面倒臭い。
角鑿盤の材当て面に罫線をガイドラインとした板をセットすることで容易に正確な角度で枘穴加工が出来ます。
今回は座板と後ろ脚は10°傾斜です。

座板と後ろ脚の組み

 

傾斜ガイド板の制作

CADで罫線を5mm間隔(適当)で引きます。ページ一杯になったら、copy&pasteし10°傾斜とマイナス10°傾斜を作り2図を重ねます。罫線は細いほど精度が出ます。

プリントした用紙を合板に貼ります。
合板は横200mm程度、縦100mm程度とします。縦はあまり高いと角鑿の保持部に当たるのでこの程度の高さが適当でしょう。また、用紙を貼る接着剤はゴム系のスプレータイプ※1を使います。水溶性のものだと紙が伸縮で歪みます。
※1 わたしが今回使っているのは、3Mのスプレーのり77。ちなみに99はボテボテ、55は剥がせるタイプ、価格が高いのが難点‥‥。なお、噴射口(予備ボタン)はスリーエム ジャパンから取り寄せることが出来ます。
貼り合わせる際は底辺を基準にすると良いでしょう。左右と上部は貼り終えてからカットします。

 

角鑿盤にセット

傾斜ガイド板に材を当て位置決めし、必要に応じて材の片方に当て木を置きます。材を締めて固定し通常の枘穴加工を行います。
10°傾斜とマイナス10°傾斜の罫線を引いているのは、左右の脚の基準面を角鑿盤の材当て面に当てるため逆になるからです。(添付している写真は、撮影のため基準面を手前にしています。)

 

座板の加工

座板の加工は、設定角度のガイド材に手鑿で仕上げます。

手鑿の傾斜ガイド

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