座刳りと新調四方反り鉋

鉋台を新調した四方反り、どれくらい快適に削れるか。

完成した四方反り鉋

旧台では座刳りをする時、粗削りし小振りの四方反りで鉋枕を削るなどして仕上げていましたが、新調した四方反り、非常に調子が良い!目論見通りに刃口も程良く逆目ぼれもほとんど出ず鉋屑が詰まることもない。台のRも座刳りのRにピッタリ沿い、材に当たる刃の当たり具合を感覚で微妙に調整するストレスが大幅に改善され、この1台で仕上げまでこなすことが出来ました。ルーターを使ってみようか?!などと思うことが全く無くなりました。

以前Blogで「座刳り」を書きましたが、今回は工程を。

座刳りの墨付け

今回の座刳りでは座に当たる臀部2点を中心に130Rを描き、その円に沿って座板両側の流れに太腿のラインを引きます。また、臀部の円は内側にも何本か円を描いておきます。今回は外円の1/2、1/4、3/4です。この内円は削り始めると円の中心が曖昧になってしまうための補助線です。この内円が削る際に円中心の目安になります。
また、この円の中心から太腿にかかるセンターラインを引けば墨付け終了です。
作り手によってそれぞれ深さや臀部R、太腿の当たりはこだわりがあるでしょうから参考までに。わたし自身も椅子の用途、座高、座板の角度、背もたれの角度、使う人の体型や好みなどで寸法を変えることがあります。

墨付け、削り始め

座刳り

1.臀部
最初に臀部2点を中心とした円を削っていきます。
新調した鉋台では彫り進めるに従い鉋台がRに沿って来ます。初めは粗削り的に彫るため外円の1〜2mm程度内側まで。深さは鉋台のRに沿い15mm程度、仕上がりは17mmとなります。

2.太腿
2つの円を彫り終えたら太腿部分をセンターラインと両端の外ラインを基準にして彫り進めます。ここも粗削りとして両端1〜2mm程度内側まで。

太腿部分の切削

3.臀部と太腿の繋ぎ
臀部と太腿の繋ぎを滑らかなR面で繋いで行くながら臀部の2つ円も繋いでいきます。

臀部と太腿部分、全体を整える

4.座板の前
座板の前、太腿が当たる末端部分を整えます。

5.仕上げ
墨付けをした仕上げラインに沿って鉋枕を落としながら仕上げていきます。わたしは鉋の削り痕を残すのが好きなので左右の臀部のRの削り痕は出来るだけシンメトリーになるようにしています。

仕上がり

以上です。
刃幅のRが台頭から台尻にかけてのRと同じ四方反り鉋があればもっと切削面を滑らかにできるかなぁなどと。スクレーパー用にRをつけた鉋刃があるので今度作ろうか、とも思っています。

 

おまけ

今冬ほとんど雪が降らず、溶け始めた雪から顔を出すふきのとうを摘む時期を逃してしまった。なんてこったい!!蕗味噌が‥‥
そして、梅は満開に!

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