ギターのメンテナンス(ペグなど)

昨年夏に友人から、Cat’s Eyes、Rarewood、Chakiのアコスティックギター3台をもらい受けました。3台ともレアというかマニアックというか‥‥ご興味がある方はお調べくださいませ。

Cat’s Eyesは程度が良く問題ないのですが、RarewoodとChakiの2台はペグの錆が激しいなどメンテナンスが必要でした。ペグは新品に交換すれば簡単ですが、とりあえず綺麗にしてみてダメなら交換です。そのほかネックの破損補修やブレーシング(ボデー支持材)と裏板の剥がれ補修、弦高調整なども行います。

ペグのクリーニングをネット上で検索すると、
1.クエン酸、2.重曹、3.PIKAL CARE
の順で皆さんやっているようです。わたしもそれに倣ってみます。

クエン酸、重曹、ピカールケア

クエン酸、重曹、ピカールケアは近くのホームセンター(コメリ)で購入しました。クエン酸は398円(500g)、重曹は198円(500g)、ピカールケアは458円(150g)でした。ネット通販より廉価です。ただ使う量は容量の10分の1程度で十分なのですがこの容量のものしかない。そもそもクエン酸や重曹は掃除に使うものですから。

 

ペグのクリーニング

ペグをヘッドから外すのですが、ペグ本体同様にネジも汚れと錆でザラついているため頭をなめないようにネジを折らないように慎重に外していきます。
全て外したら歯ブラシとエアで埃や汚れを落とします。

クエン酸の水溶液を作ります。40度くらいのお湯1リットルに20gほど入れます(適当です)。冷水だとクエン酸がなかなか溶けないですし、お湯の方が汚れや錆が落ちやすいです。
外したペグとパーツを水溶液に1時間ほど浸した後、歯ブラシで汚れと錆を落としていきます。あまり強くゴシゴシ磨くとメッキ部分が剥がれる心配があったので歯磨き程度の磨きです。磨いたものから水桶に入れ、クエン酸をしっかりすすぎます。

次に重曹の水溶液です。クエン酸水溶液同様にお湯に20g程度。クエン酸が酸性であるためアルカリ性の重曹で中和です。クエン酸のみですと錆が生じやすくなります。重曹水溶液でも歯ブラシで磨き 水桶ですすぎます。すすぎ終わったらタオルとエアでしっかり水分を飛ばします。

クエン酸と重曹による汚れと錆落としでずいぶんと綺麗になります。ただ全体が曇っています。

仕上げはピカールケアです。Holtsのコンパウンドを持っており、どちらも研磨剤はアルミナです。どちらでも良いのでしょうが折角ピカールケアを買ったので使うことにしました。
パーツが小さいのでペグの中に入り込まないようウエスに少量ずつつけて磨いていきます。

おおぉー!ピカッてる!新しいペグの購入はパスだ!
ペグの回転調整と中油(微量)で完成。

 

フレットの磨き

次はフレットの磨きです。ピカールケアのみです。
フレットを残して指板にしっかりテーピングします。指板の木目や合わせ目にピカールケアが入り込まないようにするためです。磨き終わったら念のため合わせ目を歯ブラシで掃除します。入り込まないようにしていてもピカールケアの粉が出ます。

 

ネックの破損

ネックの破損があるのはChakiです。ストラップが掛かるところで経年劣化もありヘッド外周全体ににひび割れもあります。ひび割れ部分は瞬間接着剤を浸透させ、欠けた部分はウッドパテとタイトボンドIIIを混ぜたもので埋めていきます。もっと良い埋め材があるのかもしれませんが、手元にあるものでいろいろ試してみるとウッドパテとタイトボンドIIIを混ぜたものが強度的にも色合い(あまり似ていない)が良かったので。

 

ブレーシングと裏板の剥がれ

ブレーシング(ボデー支持材)と裏板の剥がれがある、と聞いたのですが判然としない。尋ねてみると、薄い紙が入るくらい浮いている箇所があるとのこと。で手が入る範囲で調べても、裏からブレーシングの部分をコンコン叩いても剥がれている箇所のビビリが確認できない。とりあえず接着剤を流し込んだ跡があるところに瞬間接着剤を流してクランプで固定しました。膠で接着をと思ったのですがサウンドホールに手を入れて流し込むには時間が掛かり過ぎて膠が固まってしまう。ギターの修理屋さんなら全てバラして膠で再組み立てをするのでしょう。

 

弦高調整

弦高調整が必要だったのはRarewoodです。弦を張らずに長期間ハードケースにしまわれていたのでしょうか、弦高が低い逆反りです。サドルは新たに作らず以前使った端材を現状のサドル下に貼り付けて弦高調整しました。(弦高調整は旧Blog記事「ギターの弦高調整」を参照してください)

 

仕上げ

ギター本体をLactol-Gでクリーニングし、ペグを取り付け弦を張り終了。まあ、こんなところでしょう。

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