夏の終わり クロアゲハ

夏の終わり

9月2日、工場の前にクロアゲハが舞い降りてきた。コンクリートの上に息絶え絶えの様子。
鱗粉は落ちて翅は傷付いている。夏の終わりを知らせてくれるには悲しいものがある。

クロアゲハ

しばしわたしのTシャツの上を飛ぶともなく歩くでもなく、また風に揺られて庭の隅に降りて行く。太陽に向かって行けないならせめて花の上にでも、と百合の花弁のとまらせる。百合は好みでないのか、知らぬ間にまた夏の終わりの風に揺られて消えた。

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