タグ別アーカイブ: マホガニー

書見台

「ショケンダイ、作ってください。」
「ショケンダイ?? ゴメンなさい。ショケンダイって何ですか?」
「本を読む時に本を立て掛ける台ですよ。書を見る台と書きますよ。」
「あぁ、ブックスタンドですか。」
小学生の頃、教科書を立てていたスチール製のアレだ。
「そうです。あなたに作ってもらいたいんです。」
「あっ、はい。了解しました。図面引いて送ります。」
「図面は良いんですよ。任せますから。」
「いえ、それなりに意思の疎通を図っておきたいので。」

図面を送って数日後
「図面、どうでした?」
「大きさ、デザインは任せます。
材はマホガニーって書いてありますけど、どんな材ですか?」
「上質な家具材で上品な赤色してます。軽くて狂いがほとんど出ないステキな材です。わたしが持っているのはアフリカ産だと思います。」
「そう。板面のところは全部そのマホガニー?」
「そのつもりです。杢がある材をと思ったんですが、杢の材を使うと書見台そのものは綺麗ですけど、本を読むのに本の周りがチカチカして邪魔になると思うので、品があるシンプルなものにしました。」
「そうね。でも少し変化が欲しいわね。」
「んん‥‥、じゃあ周囲をマホガニーにして中にローズウッドを嵌め込みましょう。」
「ローズウッドって?」
「んん‥‥、黒檀、紫檀とか良く耳にしたり目にしたりすることあると思うんですけど、その紫檀を想像してください。ローズウッドも最高級材で深く濃い赤い褐色といった色合いで黒檀ほどではないですが硬い材です。加工してると薔薇を思わせるとても甘い香りがするんですよ。仕上がると香りはしませんが‥‥。マホガニーとの色合わせはステキです。」
「わかりました。それで進めてください。」

細かい作業の木のかばん

9月末に「天秤」の組手を練習し、いざキャビネットへ!と思っていたのですがデザインがちっとも浮かんでこない。そこで工芸的に「木のかばん」を作ればレパートリーも増えるし広告等にもなるかなぁなどと。

木のかばん2

「木のかばん」が実用的かと言えば決して実用的ではありません。強度面ではアルミ、ジュラルミン、合成樹脂が優っているし、皮革、布系のように柔軟性を持っているわけでもない。また否が応でも木の厚みがかばんそのもののサイズアップになってしまう。使い手からすれば「木のかばん」を持っているという自己満足的なものかもしれない。まぁ取り掛かろう! 続きを読む 細かい作業の木のかばん

書類整理用の小抽斗

A4書類、名刺等の整理用小抽斗の制作です。

抽斗はあまり大振りだと整理したようであっても実は整理できていないものです。小振りである程度の数があると頭の記憶装置にも優しいです。
材はマホガニー、本体はダークに着色しましたが抽斗前板は無着色で明るめとし、抽斗部分を側から少し奥に入れ浮き出ないようにしています。つまみも本紫檀の削り出しで小さくし上品な仕上がりとしました。
側の見付けは蒲鉾のR加工、前板にも丸面加工を施しています。
7杯の抽斗の上段のみ外寸法高さは75mm、他は70mmとしています。上段は名刺整理ボックスを収納できるように5mm深くしたわけです。天板の庇があるため大きさの違和感は出ません。7杯ともスライドはセンターガイド方式としています。
側の縦と横桟は馬乗り枘で組んでいます。天板はフレーム型天板で鏡部分の伸縮が気にならないように処理しています。
名刺収納boxは、同じくマホガニーで四方をあられ組としています。

おまけ

21日は大雨の予報、雨が降る前にに家の周辺の草刈りです。裏庭が広いのはとても気持ちが良いのですが雑草がスゴイ!年3回の草刈りを計画しているものの、好天が続き一面40cmくらいにまで伸びすでに2回目の草刈りとなりました。

畑にすれば?と言われるのですが石だらけであり水はけが悪く、ただ地があるだけ。お隣さんから「使わないなら、(雑草)放っておけば?」と言われても草ボウボウがダメな性格です。

譜面台をスマートなデザインに‥‥

イメージスケッチ → アイディアスケッチ → 作図 → 制作 へと通常通りのプロセスでの譜面台の制作です。主材はマホガニーです。
スマートな部材構成、完成時のバランス、使い勝手に重点を置いてデザインして行きます。

譜面台3

念頭に置く項目を抽出

家具デザインではとりわけ機能を満たしていることが最重要となります。もちろんこの譜面台も機能を満たしていなければならず、その機能を満たした上で独自のデザインを加味して行きます。今回その項目は

  1. 部材数を少なくするために、脚部の支点は3箇所とし支点の一つを支柱(メインパイプ)とする
  2. 3箇所の支点間の角度は60度
  3. 譜面板の高さは、椅子に座って中心高:850mm、立った場合は1,200mmが最良位置と判断
  4. 上下動させる支柱(メインパイプ)に入るインナーのスライド量はどれだけ必要か
  5. 支柱下部の枘組み部分の芯材はどれだけ入れれば良いか
  6. 支柱、インナーとも木製であることから太くなるため、どこまでスマートにできるか
  7. 譜面板の高さが変わることで、譜面板の位置が前のめりになったりしないか、不安定にならないか、その際に支柱を支える二つの補助脚が足位置の邪魔にならないか、その長さはどれだけ必要か、とバランスを考え70度傾斜を判断
  8. 譜面板の大きさは、縦:305mm+20mm、横:228mm×2+20mm×2、が最小サイズとなる
  9. 支柱の高さと譜面板の角度が可動箇所となるため、固定具(ノブ)をデザインする
  10. etc.

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