タグ別アーカイブ: 反り台鉋

木工作業の工夫12(内Rの切削)

椅子の笠木などではR加工を施します。
一般的な加工方法は、①反り台鉋での切削、②バンドソー等で粗木取りして反り台鉋、③型板を当てがいルーター加工、などでしょうか。
100mm程度までの幅であればこれらの方法で加工できます。が、もっと幅広であったり、材を斜めにして幅広にするなど機械加工が困難な設定をした場合は手加工が主となります。
初っぱなから手鉋でも良いのですが切削量は多く時間と労力が負担となります。
そこで外Rと内Rを線引きし、切削部分に鋸で細かく切れ目を入れてそれを落とせば手鉋の作業は大幅に短縮できます。

笠木に鋸引き

(下手くそな鋸引き)

続きを読む 木工作業の工夫12(内Rの切削)

裏出しは暖かい時期に

わたしの木工作業では結構反り台鉋と四方反り鉋を使います。
7月に反り台鉋の刃研ぎをしようと刃裏を見ると「あっ、割れ!」。この鉋刃は裏出しを冬に行ったものです。

大垣技専時代に「寒い時は、お湯で温めると割れにくい」と教えられました。もちろん冬場での裏出し作業は、刃と金敷(わたしはレールです)を温めてはいますが、冬の作業場の気温は3°以下はザラ。温めていてもコンコンやっているうちに冷めてしまう。冷えた刃を慎重に叩いてどうにか裏出しー裏押しー研ぎを済ませていたのですが‥‥
順調に反り台鉋作業が進んでいたようですが、刃の内部にはひびが入っていたようです。削りと研磨を繰り返しているうちにそのひびが表に出てきました。
やはり、寒い時期の裏出しは芳しくありません。暖かい時期にするのが良いですね。裏出しも早いです。わたしは気が小さいので、夏場でも刃と金敷を数時間陽に当てて熱いくらいにしてから叩きます。もちろん火傷には気をつけます。
冬に裏出し作業をしなくてすむように、今回から3mmと多めに出しておきます。
(裏出し作業の鉋刃は、平台の荒鉋のもの)

四方反りの鉋台制作

今年の梅雨は長い。木工屋泣かせの季節です。作業する気になりません。
というわけで、一年遅れで四方反りの鉋台を制作することにしました。
使い切った感のある改造に改造を重ねた四方反りの鉋台の更新です。なにせ四方反りが反り台風に下端が擦り減り、下端調整が限界となってしまったので。
鉋屋さんではないので本来あるべき制作ではないのかもしれません。ただ使っていた時に感じた点を加味して制作したので自分なりに◎とします。

新旧交代の四方反り鉋

旧台と世代交代した新台、試し削り

 

構想

材は鉋台用に調達していた樫を使います。サイズは従来サイズを踏襲しながら台調整の限界が早めに来ないように厚めの35mmとしました。
四方反りの台にしてから刃口埋めを行い再度下端調整するのは二度手間と考え、刃口埋め材(15mm厚のブビンガ)を考慮して墨付け、加工を進めることにします。 続きを読む 四方反りの鉋台制作

やっぱり鉋は素晴らしい

鉋をかける度、毎回思うのです。「やっぱり鉋は素晴らしい」と。

捻れた曲面の反り台鉋仕上げ

捻れた曲面の鉋仕上げ

反り台鉋

曲面の仕上げは反り台鉋になります。
凹面は反り台鉋や南京鉋となりますが、面が長く緩い場合には反り台鉋が有効です。南京鉋はどうしてもR面が小さくなってしまうので滑らかな局面にはなりづらいです。一枚刃で中仕上げを行い二枚刃で仕上げを行います。
帯鋸 →  ルター →  サンダー という手順で仕上げても、面は凹凸のままです。サンディングした後に鉋を掛ければ一目瞭然です。 続きを読む やっぱり鉋は素晴らしい

四方反り鉋が‥‥

木工屋になって間もない頃、反り、南京、際(きわ)などの鉋を何点か入手しました。新品もあれば中古品もあります。数は大したことはありませんがその中で同サイズの反り鉋が3台あり、中古の1台は台頭に割れがあったりしていて痛みが激しいものでした。そこでその反り鉋の台頭を補修し欲しかった寸四の四方反りに改良しました。

反り鉋を四方反り鉋に

反り台の場合は刃口が真っ直ぐですが、四方反りは刃のRに合わせたR形状です。そのため四方反り形状にすると刃口は中央から両端に向かって広くなってしまいます。木っ端返しが効かない状態となるので刃口埋めが必要となります。

四方反り鉋1

改良当初に施した刃口埋めはとんでもなく下手くそで、刃口両端は大きく開いたままでまともな切削が出来ず使うことを敬遠していました。が、気を取り直し2年前に改めて刃口埋めを施したところ、いやいやこんなに良くなるとは!と頻繁に使うようになりました。

入手した時点で台は薄くなっていて、加えて四方反りにしたことで台頭、台尻の端はキレ寸前。使用頻度が高まり台直しも繰り返して来て、今回堅い欅板の座刳り。下端の擦り減りが大きく四方反りが反り鉋状態に。下端調整をやりかけたのですがもう限界かなぁ、と。今度時間をとって新しく台を作ることにします。その時は南京鉋も新調しよう!と思っているのですが、さてさて‥‥