四方反りの鉋台制作

今年の梅雨は長い。木工屋泣かせの季節です。作業する気になりません。
というわけで、一年遅れで四方反りの鉋台を制作することにしました。
使い切った感のある改造に改造を重ねた四方反りの鉋台の更新です。なにせ四方反りが反り台風に下端が擦り減り、下端調整が限界となってしまったので。
鉋屋さんではないので本来あるべき制作ではないのかもしれません。ただ使っていた時に感じた点を加味して制作したので自分なりに◎とします。

新旧交代の四方反り鉋

旧台と世代交代した新台、試し削り

 

構想

材は鉋台用に調達していた樫を使います。サイズは従来サイズを踏襲しながら台調整の限界が早めに来ないように厚めの35mmとしました。
四方反りの台にしてから刃口埋めを行い再度下端調整するのは二度手間と考え、刃口埋め材(15mm厚のブビンガ)を考慮して墨付け、加工を進めることにします。

甲穴を墨付けした台と刃口埋め材

刃口埋め材は当初平台鉋で使った10mm厚で良いかと思っていたのですが15mmとしました。刃口がR形状となるため10mm厚では擦り減りが最も激しい中央部分が薄くなり、刃口の擦り減り軽減のために入れる刃口埋め効果が十分発揮されないからです。
また、鉋刃と刃口埋め材との角度は直角にします。制作や微調整を容易に行うためです。木っ端返し部分は刃と平行にします。若干開いていた方が良いのかもしれませんが、制作しやすく勝手が悪ければ使いながら微調整すれば良いと考えたからです。
制作工程は、1.平台鉋、2.反り台鉋、3.四方反り鉋、という流れです。

 

平台鉋作り

木取りした樫材に墨付けを行います。
今回刃の仕込み角度は40度、刃口埋め材は50度としています。治具を当て角鑿盤で甲穴の穴開け加工を行い、計測しておいた鉋刃の幅と厚みに合わせて押さえ溝、刃口埋め材の蟻型の墨付け、加工を行います。刃口埋め材の先端は挿入角度でカットしておくと墨付けが現物合わせで容易になります。

甲穴の穴開け加工

鉋刃、刃口埋め材の挿入加減を調整して双方を仮入れし、刃口埋め材に四方反りのRを考慮しながら鉋刃のRを墨付けします。鉋刃と刃口埋め材との角度を直角にしたのはこの墨付け、加工を容易にするためです。木っ端返し用にR削りもある程度済ませておきます。
刃口埋め材を差し入れて接着剤で固定します。接着剤は酢ビを使用し、塗布は先端5〜10mm程度です。下端が削れた際に押し出す場面が出てくるためで、刃口埋め材が台から剥がれる必要があるからです。強力な接着剤は不向きと思います。膠(にかわ)が良いと思ったのですが今回は手っ取り早く酢ビにしました。

押さえ溝、刃口埋め材の蟻型の墨付け、加工

 

反り台鉋へ

鉋刃の頂点を支点として、台頭と台尻の木口、木端両面に設定するRを墨付けします。
先ずは反り台するため横切り盤で大まかに切削しベルトサンダーで滑らかな曲面を作ります。

第2段階の反り台鉋

 

四方反り鉋へ

木端と木口の墨付け線を見ながら反り台鉋などで端から切削して行きます。
ある程度形になったら、外丸鉋と四方反り鉋用に作った台直し用の削り台で滑らかな四方反りの下端を作ります。

第3段階の四方反り鉋

鉋刃を入れ、削り具合を確かめます。
初期設定で刃口は0.5mm程度、木っ端返しの高さ(厚み?)を5mm程度にしましたが詰まりが激しいです。

四方反り鉋や外丸鉋の場合、削り屑の断面が三日月形状、つまり中央が厚く両端が薄くなり平台のようなほぼ均一な厚みの削り屑にはならないのです。このため刃口は少し大きめにしないと詰まり削れて行きません。微調整をして最終的には1.5mm程度にしました。
木っ端返しも試し削りを繰り返し3mm程度としました。
また、鉋刃の研ぎでは刃口幅の外側は下端に出ないようにします。出ていると間違いなく詰まります。

完成した四方反り鉋

以上が四方反りの鉋台制作工程です。今まで使っていた際の不具合を加味して制作したもので、プロの鉋屋さんからは笑われるかもしれませんが、わたしにとっては使い良い鉋に仕上がったと思っています。
長梅雨の一コマでした。

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