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木工屋です。

山椒の若葉の佃煮

山桜は花が散り新緑の木々に紛れて居場所が判らなくなりました。
4年前からこの時期、好物の山椒の若葉の佃煮を作ります。ピリリッ、舌がジーンがたまりません。

いつの間にか敷地内のあちこちに育っている8本の山椒の木はまだまだ小さく、若葉の収穫は1パックくらい。好物なので沢山作り置きしたいので近くの道の駅で2パック購入。地産地消ということで。

山椒の若葉

当初cookpadなどでレシピを真似たのですが、だしを使ったりお酒や味醂を使うのがどうも好みでないのです。だしを使うとピリリッ感がストレートに感じられない、だしが口の中にまとわりつき濁りのように邪魔をする。お酒はウィスキー派なので置いてない。砂糖と醤油のみの味付けがストレートで好きです。

さて、作り方。
(cookpadの「山椒の葉の佃煮」https://cookpad.com/recipe/3156502のレシピを簡素化アレンジ) 続きを読む 山椒の若葉の佃煮

斧の柄が折れたので

倉庫に長い間眠っていた斧を1年ほど前に薪割りで使いました。あることは知っていたのですが、斧での薪割りに対して恐怖感が強く敬遠していたのです。またその斧は手入れなどされておらず刃先は錆びてボロボロ、握り柄もきっと劣化しているだろう‥‥
案の定、へっぴり腰なので上手く薪に刃が当たらないわ、柄が薪に当たるわ、ボロボロの刃が入っていかないわ、で柄が折れた。
刃に残った折れた柄は刃の錆びと鉄の楔の錆びで固まっていて叩いても抜けない。エーイッ、とばかりに薪ストーブに放り込みチンチンに焼いてバケツにジュー。焼き入れです。刃の口の中をワイヤーブラシでカスを落とす。柄を新調しようとホームセンターに出掛けてみると5,000円以上もする。銘のある斧の刃でなく、昔農機具店などで販売していた程度の代物に5,000円の柄はちょっと躊躇う。1年放置。

 

柄を新調した斧

先月、雪で折れた雑木を薪用として町内のオッチャンからもらい、斧を調整する気になりました。
柄は白樫が良いのですが、手元にある白樫は鉋台用に調達したもので長さが足りない。ちょうど良いサイズのトネリコがあり使うことにしました。斧の柄にも良いと思うのですがどうでしょうか。
トネリコは硬くて強く粘りがあり曲げに非常に強いのが特徴。比重は白樫と同じくらいで重い。バットやステッキ、家具では椅子の脚などに使われる材です。鉋掛けでは1枚刃だと逆目では刃が食い込んでしまうため2枚刃、もしくは鉋刃口が小さい仕上げ鉋が良いですね。 続きを読む 斧の柄が折れたので

曲げ加工の失敗談

材の反り修正でアイロンは何度も使ってきました。今回、椅子の背板で蒸しての曲げ加工を試してみました。

今まで背板の曲面は型板を頼りにバンドソーで粗木取りし、反り台鉋で削り出していました。が、厚みの均一性と作業効率が今一歩。
というわけで、均一の厚みで枘(男木)加工を済ませて曲げ加工をしてみようと。
材を濡らし水を含ませた当て布の上をスチームアイロン、というやり方は反り修正と変わらず面白味がない、新しく蒸して曲げようと思ったわけです。

削り出しの背板

D.チェア(山桜)2

曲げ加工の背板

曲げ加工の背板

 

蒸して曲げる

蒸して曲げる方法は一般的な曲木の方法ですが、有効な設備は持ち合わせていません。そこで思い立ったのが薪ストーブのヤカン。ヤカンに煙突を立ててその中に材をぶら下げて蒸そう! 続きを読む 曲げ加工の失敗談

木工作業の工夫10(角鑿盤での斜め枘穴)

椅子の座板と後ろ脚との組みなどでは傾斜角をつけることがあります。
角鑿盤のテーブルは一般的に角度調整が可能ですが、テーブルと角鑿のカネが出ているものを崩したくない、再設定が面倒臭い。
角鑿盤の材当て面に罫線をガイドラインとした板をセットすることで容易に正確な角度で枘穴加工が出来ます。
今回は座板と後ろ脚は10°傾斜です。

座板と後ろ脚の組み

 

傾斜ガイド板の制作

CADで罫線を5mm間隔(適当)で引きます。ページ一杯になったら、copy&pasteし10°傾斜とマイナス10°傾斜を作り2図を重ねます。罫線は細いほど精度が出ます。

プリントした用紙を合板に貼ります。
合板は横200mm程度、縦100mm程度とします。縦はあまり高いと角鑿の保持部に当たるのでこの程度の高さが適当でしょう。また、用紙を貼る接着剤はゴム系のスプレータイプ※1を使います。水溶性のものだと紙が伸縮で歪みます。
※1 わたしが今回使っているのは、3Mのスプレーのり77。ちなみに99はボテボテ、55は剥がせるタイプ、価格が高いのが難点‥‥。なお、噴射口(予備ボタン)はスリーエム ジャパンから取り寄せることが出来ます。
貼り合わせる際は底辺を基準にすると良いでしょう。左右と上部は貼り終えてからカットします。

 

角鑿盤にセット

傾斜ガイド板に材を当て位置決めし、必要に応じて材の片方に当て木を置きます。材を締めて固定し通常の枘穴加工を行います。
10°傾斜とマイナス10°傾斜の罫線を引いているのは、左右の脚の基準面を角鑿盤の材当て面に当てるため逆になるからです。(添付している写真は、撮影のため基準面を手前にしています。)

 

座板の加工

座板の加工は、設定角度のガイド材に手鑿で仕上げます。

手鑿の傾斜ガイド

たまには自分用に

コーヒーのペーパーフィルタ・ケースを作った。たまには自分用も良いだろう。もちろん端材で本体は楢、蓋は黒柿。ミニ蝶番は市販の真鍮製。仕上げはオイルフィニッシュ。
あんまり手を加えると自分で使わず売り物にしちゃおう、などと思ってしまうので手を加えるのはほどほどにした。
当初は単純な板組みで、と思っていたが天秤指しにすることにした。天秤の二等辺三角形の大きさは高さ10mm、上≒1mm、下≒6mm、傾斜角75°で手持ちの手鋸と鑿の最小サイズ。毛引き線はシラガキで表裏しっかり引いてみた。売り物の時は0,3mmのシャープペンシルで引き、加工後毛引き線を消すのだけれど、シラガキで引いた時の鑿の当たり具合や完成後に毛引き線が残った雰囲気も感じたかった。
表裏から掘る鑿の刃先の当たり具合や精度は、当て木を使うにしろシャープペンシルより格段に良い(当然ですが)。毛引き線が残った雰囲気は、なんとなく職人らしい(わたしも職人の端っこにいるのですが‥‥)作り。それもまた楽し。

 

おまけ

今シーズン、今日2月9日の寒波は4回目。年末の1回目の重たいドカ雪で庭木がバキバキ折れた。3回目の後、折れた庭木を整理して太いものは薪にした。枝葉は春になったら始末する。
covid-19(新型コロナ)も第4波は来るだろう。イヤだが‥‥

1回目の寒波

1回目の寒波

 

4回目の寒波(手前は1回目の寒波で折れた枝葉)