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「木工家ウィーク」ちょこっと参加

「木工家ウィークNAGOYA 2019」が5月31日から始まります。

公式サイトは、http://woodworkers.jp/

初年度の2008年から2010年に参加してから離れていたのですが、ちょこっと参加することにしました。たまにはホモ・サピエンスと接しよう、などと。
今回は合同展示会への参加ではなく、『木工家がつくる椅子』(〜低座の椅子〜)<於:文化のみち撞木館>への出展のみです。「高文机と高座椅子」を出品します。テーマが椅子なので「高座椅子と高文机」としています。

期間は、5月31日(金)から6月2日(日)の10:00〜17:00です。2日は終日在廊する予定です。31日と1日は現在のところ未定ですが、お客様、読者の方のご希望があれば在廊します。サイト内のcontactからご連絡ください。
見て、触れて、座って、感じてくださいませ。

撞木館・椅子展

おまけ

今年、庭の野イチゴがたくさん実をつけている。昨年草刈りに注意してトゲトゲの野イチゴを刈り取らなかったのが幸いしたようだ。温室で季節を失った苺より大気の中で育った苺、野イチゴがわたしは好きだ。

 


斜め四方胴付き枘でアタマの中が……

いつもは材のサイズからデザインや設計を展開していくのですが、今回は自由度を高め初期段階のデザインを重視してみました。

今回は斜め四方胴付き枘の加工を少し。

角鑿盤での斜め加工

経験豊富な木工屋さんは治具作りも上手ですね。以下は、治具に馴染みの薄い方に。

材のサイズからの展開では治具をあまり使うことはなく、使っても従来から使用している治具で対処できるのですが、自由度を高めると新たに治具を制作しなければなりません。
電動工具も高度な加工が出来るようになってきており、その精度も素晴らしいものがあり治具を必要としないで加工できる場面もたくさんあるようです。わたしはそれを全く否定しません。あればあったで重宝すると思っています。単に購入資金が無いだけ……

ただ、治具を制作する作業は家具設計同様にそれなりにアタマを使います。家具設計では材の伸縮や反り、強度確保などを考えるのと同じように、治具制作では既存の機械性能と墨付けした材とのマッチングとを考えます。例えば角鑿盤では鑿は垂直、テーブルは平行に動くわけで、斜めに彫るためにはテーブルを傾けるか材を傾けなければなりません。鑿は垂直に材を彫るのでその力点を考えて材がズレないように固定する治具が必要となるわけです。また治具があれば同じ加工が繰り返し出来ます。

シンプルな角鑿盤の治具

今回、角鑿盤での枘穴加工は角の二方に違う角度で彫ります。 続きを読む 斜め四方胴付き枘でアタマの中が……

残ってた材で子供椅子

姪っ子の息子が一歳半。座卓もまだまだ高い。ということで子供椅子を作ってあげることに。気楽なプレゼントなので残っていた材で作ることにした。

10年程前のタモの残りを使うことにする。50mm×20mmの角材は改めて製材するほどの狂いはなかったのでそのまま使用することにしたが、幅180mm、厚み15mmの板目材は反りが出ていて面出しして厚みを整えると5mm程度になってしまう。そこで反りを座の窪みとして活用することで厚みを確保する方法を取る。この方法は何度もやっていて座板、背もたれなどにも活用している。アイロンなどで下手に矯正すれば割れが生じたりもするし、10年以上板材で放置していた材は思うような矯正は難しい。
すでに材の最大寸法が決まっているのでその枠内でデザインし原寸図面を引いていく。シンプルな構造としたかったので作図も加工、組み立ても容易にする。

工夫した箇所は後脚と笠木の取り付け部分

前側を枘、後ろ側は支えという構造。肘掛けと後脚との接合で良く用いる組み方。
今回は前後の脚を平行にしていることから、後脚に組む座板の枘位置と笠木の枘位置の幅が同じになる。
このため、笠木の枘加工はR加工をする前の角材の状態で済ませてしまう。枘穴は角鑿盤、支えは傾斜盤で容易に行えるし精度も出る。脚側も斜め加工した面を基準として枘と支え部分を加工すれば良いので通常の枘加工と変わらない。

 

子供椅子

久し振りにタモの加工。軽〜! やわ〜!
姪っ子のお腹にもう一人。子供椅子は二脚にした。

 

おまけ

三寒四温というけれど、一日の間に何度も春の陽気と雨かと思えば霰が叩きつけて来る春雷が繰り返される。子供椅子のオイルフィニッシュは乾いてくれない‥‥

霰

一本かんざし2

昨年のお盆過ぎ、一本かんざしを使ってもらっている方から電話。

「お盆に浴衣を着てかんざし挿して友達と出掛けたの。
髪の長い二人が『あら、素敵なかんざし。わたしも欲しいわ。』って。
作っていただける?」

「嬉しいですね。じゃあ作っておきます。10本くらい作って送ります。
その中から選んでもらってください。
全部売れたら、東京に行きますから久し振りに月島とか六本木とかで飲みましょう。」

正月に間に合わせたかったけれど、急ぎの仕事が入り2月となった。
4本は紫檀に拭漆。6本は椿に椿油。先週送付。
初回より凝った作り。

「着きましたよ。ん、素敵。わたしも1本頂こうかしら。
あっ、それでね。一人髪切っちゃたのよ。かんざし挿せないわ。」

「あらま、東京で飲むのも先送り‥‥」

 

おまけ

今冬、雪は積もるほど降らなかった。まあ、3月に掛けて降ることもあるだろうけれど。
庭の蕗の薹も雪に隠れることはなく顔を出している。
去年より2週間ほど早く春をいただこうか。蕗味噌かなぁ、やっぱり。


庭の蕗の薹


ルーターテーブルの制作

1年程前、木工仲間と電話で話していて
「貰い受けたマキタのルーター、未使用状態で持っているけど使うんだったらあげるよ。3600HAというモデル。」
「ん?!そう。じゃあ貰う。」
と貰い受けた。
使い勝手が悪ければルーターテーブル用にするか。
数日後手元に届いた3600HA。梱包を解いて本体や備品を確認した後、半年以上しまい込んでいた。昨年11月試しに使ってみると「なんじゃ、こりゃ!!使い物にならん!!」

 

使い物にならん3600HA

使い物にならない箇所は

▲本体のベースが径158mm、取り付ける樹脂ベースは径160mm。樹脂ベースの取り付けは径5mmのナベ小ネジに対し、樹脂ベースの穴径は6mm。つまりベースの中心が駆動部の中心から1mmズレる。樹脂ベースを位置決めするものは無い。(3612BRAは皿小ネジで樹脂ベースは固定位置) 続きを読む ルーターテーブルの制作