フレーム型天板

フレーム型天板

マホガニーのサイドテーブルの天板を、Revival Deskの袖抽斗から採用しているフレーム型天板で制作しています。袖抽斗天板

天板の反りと伸縮に

一般的に無垢材で制作している天板(甲板)は、一枚もしくは数枚を剥ぎ合わせるのですが、木の特性である反りを抑えながら伸縮を吸収するために、

  1. 両側に蟻桟を通す手法
  2. 側板と組む手法
  3. 木口を端嵌めとする手法
  4. 四方をフレームとして天板を挟み込む手法

が使われています。

1.両側に蟻桟を通す手法

蟻桟では、通し蟻、止め蟻、寄せ蟻が良く知られた手法で、反りと伸縮に対応するだけの桟であったり、脚部や側部分を支える部材であったりします。

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玄関網戸の錠修繕

玄関網戸

2014年3月に納品したキハダによる玄関網戸の錠を修繕しました。

(セッティングした写真を撮っておらず、自宅居間にて撮る。雰囲気出てないです。)

この玄関網戸の概要は
size:H:2150mm × W:900 × t:30 の折戸
材:キハダ
仕上げ:柿渋
把手:室内側は紫檀の削り出し。外側はお客様から支給の真鍮製品。室内側の紫檀の把手
その他:
1.室内側に麻生地のシェードが掛かる。
2.下部に隙間ブラシ。
3.外すことができる蝶番を使用。etc.

 

木の強度を過信!

可能な限り木で作りたいという気持ちが強いのが災いして、設置して三ヶ月足らずで上部のローラー部分のガイドとなるレールが破損し木からアルミのレールに交換。2015年3月にはラッチ部分が破損し、ラッチ本体を銅板で制作し直して修繕。その後直ぐにケヤキで制作したカマ部分が破損し、今回真鍮と紫檀で制作して修繕、となりました。お客様には何度もご迷惑を掛けてしまいました。申し訳ありません。

キハダ

ちなみに、キハダという材は木地そのものも短期間で色が濃くなるものがあります。アンティークな色合いをご希望でしたから、今回使用したものもその濃い色の方の材で、納品した当初は明るい色合いでしたが、柿渋で仕上げたことで数ヶ月で濃度が増し落ち着いた風合いとなりました。キハダでも色が濃い材

 

添付したキハダの写真は、右と中央が網戸制作時の端材で、左が経年変化で色が濃くなった(焼けた、とも言う)もの。

雀の日向ぼっこ

やはり今冬は暖冬なのでしょうか?12月に雪がちらついたのは2回だけ。寒いと感じた朝でも温度計は5度。年末に石川の実家に帰っても軒下にわずかに雪が残っている程度。COP21の合意がどこまで実現されていくのか、気になるところです。

日向ぼっこ

正月1日、日向ぼっこに実家の前庭に出てみると、しだれ桜に雀たちも日向ぼっこしています。

雀の日向ぼっこ

 

近年、屋根の建築構造が密閉性を高めて来ているため、昔のように屋根瓦の下に雀たちの巣作りが出来なくなってきているとか。そのため、全国的に雀の数も減少していると数年前に新聞記事で書かれていました。少子化とも言われていたように記憶しています。そのせいもあり、雀たちの日向ぼっこに心が温まります。

2015年、仕事納めはベッド

今年の仕事納めはベッド、となりました。ベッド新婚さんのシングルサイズ2台。宮が付かないシンプルなデザインです。クリによる本体の制作よりも木曽檜のスノコの方が時間が掛かります。
9月末からマットレスだけで過ごさせてしまいました。申し訳ありません。
檜などの針葉樹の手押鉋、プレーナー加工では、切削の仕上がりが大きく影響します。
前稿で書いたように、自分で研磨した手押鉋、プレーナーで作業は効率良く進められます。

慌ただしく2015年が過ぎて行きます。
仕事に限らず、生活面でも多くの人たちに助けられました。ありがとうございました。
2016年、ひとつでも多く笑顔でいられますよう!

超硬刃とダイヤモンド砥石

超硬刃を購入したものの‥‥

こちらに越してきて、チップソーメーカーから紹介してもらった刃物の販売・研磨屋さんと付き合いが始まりました。
当初、チップソーの研磨と購入のみだったのですが、今秋に手押し鉋盤の刃(ハイス鋼、幅:250mmが2枚)の新規購入の見積もりを出してもらいました。わたしにとっては高い見積もり金額‥‥。価格交渉すると、「250mmの幅をわずかに切るけれど、中古の超硬刃が2枚ある。安くするけれど、どう?」。提示された金額は新規ハイス鋼の2.5分の1!即決です。
ところが研磨されて納品された超硬刃、45度に指定した刃角が35度!
いやぁな予感が的中!半日で切れなくなった!すぐにクレームの連絡!
45度に再研磨(もったいないから二段砥ぎに!)してもらったものの、自分で研磨しているハイス鋼の仕上がりよりはるかに悪い!超硬刃ってこんなものか‥‥それとも研磨屋さんの技術力??

ダイヤモンド砥石の購入

超硬刃について木工の先輩に相談してみたり、インターネット上でいろいろ調べてみるものの使えない刃物を買ってしまった感が強く仕舞い込んでしまいました。
それでも、やはり諦めきれずに出口を探すようにネットを検索する日々。
直接ダイヤモンド砥石メーカーに、研磨方法、合成砥石との番手の違い、ダイヤモンド砥石の選択等を尋ねてみました。#10000のダイヤモンド砥石はなく、合成砥石の粒子ほど細かいものは作れない、とのことでした。「それでは、世間の研磨屋さんは超硬刃の研磨仕上がりは芳しくないってことになる??」「研磨屋さんによるが、砥石の研磨回転スピードによって良い状態にしている」とのことでした。じゃあ、わたしが付き合っている研磨屋さんは‥‥

えぇ〜い、一番番手の大きいのを買ってしまえ!。手押しの研磨で使えなくても他にも用途はある!てなことで#6000というの1万円ほどで購入しました。

ダイヤモンド砥石で超硬刃を研磨

宮本家具工房さんの月間記事『2014年2月 手押鉋盤の刃を自分で研磨する』に掲載されている研磨治具をわたしも作り使っています。
ハイス鋼の手押しの刃を外して研磨してセッティングまで、わたしはおよそ30分を要します。プレーナー(ハイス鋼、幅:500mmが3枚)だと2時間超。

さて、超硬刃は上手く研磨できるだろうか?

やったぜ!! 研磨屋さん、さらばッ(まではいかないが)! ほぼハイス鋼の仕上がり! 満足!