精度がいらない薪割り作業

薪割りも木工作業と言えば言えるのでしょうが……。
今年の雪の重みで倒れた木を、作業場の薪ストーブ用に町から貰いました。
4月初旬に行われた町内の「人足」作業時に、倒れた木の周辺の木も何本か伐ったようです(わたしは水路掃除)。桜や杉などがあり、広葉樹のみを貰い受けました。杉もどうだ?と言われたのですが杉はストーブの中でただ燃えているだけなので、と我儘を言いました。

丸太をチェーンソーで35cm程度に切り自宅へ。GW中に薪割りをする予定でしたが何やらバタバタと日が過ぎ今週どうにか終了です。
丸太を切った後は、一ヶ月ほど放置し木口に割け目ができるのを待ちます。この割け目にに金矢(木割矢)打ち込んで割っていきます。丸太にして直ぐに割らないのは、木口が樹液で柔らかいために打ち込む金矢が沈み込むだけで割れないからです。かといって半年も放置しておくと固過ぎて割るのにとんでもなく苦労します。

薪割り道具

家具制作と違いピリピリと精度を求める必要がないので気持ちは楽なのですが、ハンマーを振り下ろす体力が必要です。今のわたしのカラダにはツライです。薪ストーブを長年使っている知人は電動薪割り機でさっさと済ませていますが、ウチにそんな優雅さはないので体力勝負です。

2×4で薪棚となる足場を作りました。V字に折れる足場です。両橋をブロックで上げて薪の重みが中央に掛かってくるように作った簡易な足場です。現状ではこれで十分です。

簡易な薪棚

薪を薪棚に積み終わってホッとしたのも束の間、桜は問題なかったのですが、もう一種のブナ系?は樹液の匂いが非常に強くカミキリムシが集まり始めたのです。ネットでカミキリムシの種類を調べてみるとクビアカモモブトカミキリのようです。10mm程度の頭が赤く体が黒い。集まり始めたら今度は交尾が始まり産卵しようとしている。家具材に影響が来てはたまったもんじゃないので殺虫剤を使ったのですがもったいない。夜半から雨予報、雨の力で樹液を流すことにしました。自然のものは自然の力で!って感じです。

工数が多いキャビネット

斜め上方から見たキャビネット

楢の変六角形のキャビネット。左右を45度ずつカットしたデザインです。
全体の面取りを凹のR形状としました。一般的な凸のR形状は触感が柔らかくなるのですが、緊張感のある全体のデザインに締まりが出ないために凹とした次第。
変六角形の3枚のフレームを五角形の脚部(後ろは角)で支えるデザインは、加工精度は勿論ですが工数も多くなり組み立ても色々工夫が必要となります。
以下、要所ごとに見ていきます。

天板

天板はフレーム型天板としています。ブックマッチの接ぎによる15mm厚です。接ぎ合わせた単板では中段、下段のフレームとのイメージバランスが取れないこともあります。天板の上に鏡を置くことも意識しています。

天板

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雪解けの1コマ

太平洋側の町々では、梅や桜の開花に暖かな笑顔が見られるようです。

こちらは雪解けが終盤といったところ。今シーズンの雪は重く、あちこちで庭木が折れているようです。ウチの庭木も何箇所か折れて来シーズンの薪になりました。また、毎年裏庭に遊び?に来ていた鹿たちは姿を見せず、少々寂しい冬でした。防護柵の範囲が広まったことによるものなのでしょう。2月に近所のオバさんから「この間近くで鹿が4頭、軽トラに跳ねられたそうよ」と聞き、「ウチに来ていた鹿でなければ良いが……」と妙な気持ちが湧きました。

雪解けの1コマ

倒木
使われないグラウンドへの短い坂道。重い雪で倒れかかった木々。

雪の重みで倒れかかった木々

猿の軍団
猿の軍団がサツマイモ畑に喰うものを探しに降りて来ている。30匹はいる。
ボス猿と思しき猿はウチの庭、近所の畑など結構大胆に行動している。出会い頭にわたしに牙を剥いたヤツ。餌付けする気はないが近しくなれば名前くらい付けようかなどと。

庭のモグラ道
雪が解けると、庭のモグラ道が陥没して露わになる。

越冬ヤモリ
薪の隙間で冬を越そうとしていたヤモリの子供。
薪は使うので、鉋屑を入れた箱に引っ越しさせた。まだ目覚める時期ではないよ!春が来たら箱の隙間から出てお行き。

鉋屑に引っ越しさせたヤモリ

古家具から学ぶ

一週間程前、近所のおじさんがわたしのことを知って家具などを見に来られた。自分でも手掛けてみたいとのこと。そして2、3日前、家を建て替えるために古い家具を処分する、欲しいものがあればあげる。
ということで、昨日、一間水屋箪笥、水屋箪笥、和箪笥などをいただいた。
修繕して売ろうとしているわけではなく、工作法などを実物を見て勉強しようと思ったわけです。親方修行をしていないわたしにとっては、良い教材になると思った次第。いただいた古家具の構造全てが素晴らしいと思っているわけではありません。ところどころに「なるほど、こういう組み方もあるのか」と感じるものがあります。
簡単に拭き掃除をしただけで、じっくり見ていないのですが、参考にしたい箇所を追い追い書いて行こうか、とも思っています。