「木の仕事展IN東海2015]
11月27日(金)から29日(日)に名古屋市東区にある「名古屋東桜会館」で”木の仕事の会”のメンバーさん達と展示会を行います。
5年振りの展示会で緊張しています。
わたしの出展品は、リバイバル・デスク、椿の鏡台、イメージ・チェア、その他、となります。なかなか作業が進められず、以前のようにスペース内にあれもこれも!というわけには行かず、笑顔と口数で切り抜けようと思っています。
みなさんとお会いできることを楽しみにしております。期間中は全日在廊しております。
久し振りに反り台鉋の登場です。
バンドソーで粗木取りした椅子の脚部の曲面切削には、わたしは反り台鉋を多用します。しゃくり鉋を使用することもありますが、曲面という面作りにはやはり反り台鉋となります。
一般的に凹部に使いますが、わたしは凸部でも使います。平台鉋での凸部切削も可能ですが、その際はどうしても鉋を斜めにしなければならず面作りをするには難しいです(わたしが未熟であるからです)。
サンダーでの曲面作りという方法もありますが、面が出ていると思うのは錯覚で、サンディングの後に反り台鉋で切削してみるとガタガタであることが判ります。
何はともあれ、反り台鉋で基準面作りです。
反り台鉋で基準面作り、カネ(直角)出しを済ませた後、反り台鉋で四方の面をかまぼこ面にしていきます。
仕上げの面作りになりますから、曲面の柾目と逆目を意識しながらゆっくりと鉋を当てていきます。仕上げには鉋の刃は一枚刃よりやはり二枚刃です。逆目ぼれが出にくいです。
端嵌めは木工を始めてから直ぐに取り入れているのですが、表と裏の加工には毎回苦心惨憺。どんなに神経を尖らせて集中しても表と裏の切削量が微妙にずれ、手加工で微調整を行い仕上げていました。
ルーターマシンや核加工専用のビット(二枚のストレートビットの間にコロが付いている、かな?)を持っている木工屋さんはそれほど悩んでいないのかもしれませんが、わたしはどちらも所有していません。
今までは、端嵌め専用のガイドを表と裏それぞれにセッティングしルーターやトリマーで加工していました。また、本核ではなく雇い核を用いたこともあります。ただこれは芳しくなく直ぐ止めました。
今一度、頭の中でより少ない工程で精度が出る最良の方法を整理し、否が応でもビットによる加工が必要になることを再確認しました。ビットを入れてある抽斗を探ると核加工専用ではないもののコロ付きの大径(24mm)のストレートビットが見つかり、切削状態を確かめてみました。。
加工の基準を核の端に置くという方法を考えました。つまり、核の端を精度高く加工しておきここにコロを当て表裏両面を切削する方法です。
正解です!
また、このビットは前述の核加工専用のビット(量産品で価格は1.5万円ほど、さらにインチのみ)より低価格です。端嵌めを採用したい方にオススメです。コロ(ベアリング)のサイズで核の奥行き変更もできます。
なお、ビット加工の前に基準となる核をボンドで固くして加工時に核がこぼれないようにしておくとより安心して加工できます。特にトチのように柔らかくて欠けやすい木目が杢状の材には有効です。
おまけの写真は、15年程前に制作、納品した肥松の茶棚の天板部分。
筆返しと一体加工した本核端嵌めを思いつき制作。天板と掛け木(筆返し)とのズレ防止、より接着面を大きくするために噛み合いを斜め(蟻加工)にしています。
10月4日、夕方裏の農道をウォーキングしていると道の隅っこに何やら生き物らしきものを発見。時節柄寒くなってきているせいか動きが鈍い。おおっ、サンショウウオか?と思ったら、背中がザラザラしている。イモリだった。
冷たいアスファルトから手のひらに載せる。しばらくするとわたしの体温のせいか少しばかり動きが敏捷になる。草むらにそっと放す。ウォーキングの帰りに放したところから少し手前の道にまたイモリ。さっきのイモリか別のイモリかわからないけれど、こちらもアスファルトから草むらへ。
家に帰ってウィキペディアでイモリを調べてみる。国内では一般的な固有種アカハライモリと判明。分布、形態‥‥と読み進む。トカゲやカナヘビのように尻尾が再生するのは知っていたけれど、尾骨や指、目のレンズまで再生するとは知らなかった。ビックリ!!身近に生息する生物がとんでもない能力を持っていることに改めて驚く。思わず「羨ましい!」と傷だらけのカラダが呟いた。
夏前にご依頼いただいたテーブル改造。
栓の一枚板テーブル(1500mm × ≒950 × t:60)を小さくするという課題です。
テーブルサイズを950mm × ≒950とし、残りの材を天板t:30としてテーブルに添えるワゴンにして欲しい、とのことです。何でもこなすのが「木工屋みしょう」なので‥‥
ご依頼された方は設計士、加えてお父様がどうも宮大工さんのようで‥‥木のことは良く判ってくださっているので図面、構造の説明もスムーズです。
天板を切る前に表の面を出すためにひたすら鉋を掛けます。裏返して厚みを整えるため鉋を掛けます。そして天板をカット。寄せ蟻を入れて脚を組み付けます。テーブル完成。
天板は通常の木目とは逆となります。正面が木口で、奥行きが500mm、幅が≒950mm、厚みが30mmという天板を作らなければなりません。わたしが所有するプレーナーの切削幅はmax500mmですが横方向になるため使えません。手鋸でひたすら挽き割りです。丸一日掛かってしまいました。シーズニングしそして鉋掛け。側上部の横桟と寄せ蟻の桟を組んだ梯子を横方向に前後2本入れて天板完成。
残った材で抽斗を制作。無駄なく栓を使いました。
この勢いというか上がったテンションで、8月のブログで書いたように扉を端嵌めし、側板上部を背面から蟻で入れ、側板と底板とを隠し蟻。こういった時間、木工屋の喜びですね。好きです。
8月末に完成していたのですが、搬入は9月22日となりました。
写真は逆光であったため、明るくしたりコントラストを付けたりしたので見辛いかもしれません。